今件は先に【おらが村の料理を国のお墨付きで世界に発信・農水省が「郷土料理100選」選定へ】でもお伝えしたように、地域起こし(地域経済の活性化)の素材として「全国各地で受け継がれた伝統料理」を用いるのに先立ち行なわれるもの。「郷土料理百選」の選定を通じて農山漁村に埋もれている食文化を発掘し、観光の交流や定住促進の効果があると期待されている。9月1日からノミネートされた1650種類ほどの郷土料理に対してインターネット上での人気投票を(参考のために)行い、300点ほどに絞込む。最終的に100選を今年12月中旬に選定。料理そのものと伝統的な食材を、冊子やインターネットを通じて2008年2月以降に紹介する予定になっている。

発表されたデータによると今回のインターネット上の投票では30歳代の投票がもっとも多く、ついで40歳代、50歳代と続いている。また、男女比では約6割強が男性を占めたようだ。投票総数は7万2566票・投票人数は1万2132人に達した。

発表ページではランキング100(百選そのものではない)、都道府県別ランキング、推薦郷土料理など多種多彩な方法で料理のリストアップが行なわれている。総合的な人気トップテンについては次の通り。

今件では【さきがけonTheWeb】にあるように秋田県が多数の100位入りを果たして喜びがうかがえる報が行なわれる一方、インターネット投票で100位入りした「海軍カレー」や「ウニ・イクラ丼」が選定基準にあわない可能性があるため、最終的な「郷土料理百選」からもれる可能性が【中日新聞】で報じられるなど、現場での混乱も多少ながら見て取れる。

今回の投票結果はあくまでも「参考データ」であり、実際に農林水産省が決定する「郷土料理百選」にそのままイコールとなるわけではない。それでも絶対的な選定基準がない以上、色々な人の思惑が絡んでくるのは仕方ないといえよう。美味しい料理を選んでレシピと共に紹介し、地域興しに役立てようという主旨から逸脱することのないよう、選定委員会にはがんばってほしいものである。

(最終更新:2013/08/19)