使い捨てカイロ、ロシアに進出

2007年10月15日 06:30

使い捨てカイロ「はる」イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]が伝えたところによると、【小林製薬(4967)】では10月13日、ロシア極東地域において11月から使い捨てカイロの販売を本格的に開始することを明らかにした。完全子会社の【桐灰化学】が製造する【きりばい はる】が該当する商品。ロシアでの販売は当初ウラジオストクやハバロフスクなどの都市部におけるスーパーマーケットで行なわれ、価格は日本の実売価格1袋40円をやや上回る見通し。なお現在同社公式サイトでは該当するリリースは確認できていない。

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元記事や【小林製薬が10月に伝えた「ニュースレター」】などによると使い捨てカイロは日本独自の保温具で、日本発の商品としてアメリカや中国に展開している。アメリカでは2002年に「Cure-Heat」という商品名で販売を開始し、シェアを伸張中。中国でも2003年に「暖宝宝(ヌアンバオバオ)」で販売を開始し、現在上海では70%の認知度を誇っている。

世界に広がる小林製薬のカイロの輪。ちなみにエジプトのカイロには展開していないもよう。
世界に広がる小林製薬のカイロの輪。ちなみにエジプトのカイロには展開していないもよう。

一方寒さが厳しい国の代表ともいえるロシアでは知名度がほとんど無いことや暖房が完備されていることから、ニーズが無いのではないかと思われており、これまでカイロの販路を開拓するメーカーは現れなかったという。ところが小林製薬では試験販売の結果「認知度が高まれば売れる。10時間使える日本の高品質カイロは受け入れられる」と判断、今回のロシア進出のきっかけになったという。

さらにロシア国内でも最近日本ブームが沸きあがっており、これも「日本製の」カイロの販促に役立つのではないかとする思惑もある。ロシアで販売するカイロのパッケージに、あえて日本語表記を用いる予定なのも、状況を適切に判断した結果とのこと。また、「暖房設備が整い、着衣も防寒対策に長けているので普通のカイロはニーズがあまりない」との判断から、靴の中の防寒対策を提案。足元用のカイロを販売すると「ニュースレター」では説明されている。

同社の小林豊社長は「人口減による国内市場先細りをカバーするのはグローバル展開だ」とし、海外への商品展開を積極的に推し進め、今回のロシア展開にも期待をかけているという。

使い捨てカイロが日本独自の商品だったというのも驚きだが、それが酷寒のロシアでまだ使われていなかったというのもびっくりさせられる。「ニンテンドー」がゲーム機を表すように、あと数年もすればロシアで「はる」がカイロを表す代名詞として通用するようになる、のかもしれない。そして日本発の商品が多くの地域の人たちに受け入れられ、生活を助け、現地の人たちの笑顔を作るきっかけになれば、企業側も開発者・販売者冥利に尽きるというものだろう。

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