【更新】家事手伝い代行もコンビニで買える時代に・ファミマがチケット販売開始

2007年10月13日 12:00

家事イメージ[産経新聞]が伝えるところによると[ファミリーマート(8028)]は10月16日から、炊事や洗濯などの家事代行サービスが受けられるチケットの販売を、東京など8都府県(東京・神奈川・埼玉・千葉・京都・大阪・兵庫・奈良)の3300店舗で開始する。家事代行サービス大手の【ベアーズ】と提携、掃除洗濯買物食事の用意のほか、子どもの送迎にも対応するとのこと。元記事では「自宅近くのコンビニで手軽にチケットが購入できるため、今後、増加が見込まれる働く女性や高齢者の生活支援にも有効な役割を果たしそう」と分析している。

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チケットの利用方法は「ファミリーマート店内の情報端末でチケット購入」「コールセンターへ電話をしてサービスの内容や希望日時を決定」「指定時間にサービスを利用」という手順を踏むことになる。料金は2時間半で9800円(交通費や損害保険料含む)。保険士資格を持つスタッフもいるため、子どもの送迎も依頼できる。

元記事に明確な言及はないが今回販売されるチケットのサービスは、その内容から見て【家事代行・デラックスメンバーシップ】と思われる。直接ベアーズに注文した場合、2時間で6930円(税込み)・交通費900円。2時間半に換算すると9562円50銭となり、9800円というチケット代は手数料などを考えればほぼ妥当な額に見える。

【ファミリーマート(8028)は福祉へ・社員らに介護資格取得うながす】にもあるように、ファミリーマートでは店長などに介護関連資格の取得をうながすと共に、介護事業を強化して他社との差別化を強化し、低迷が続く小売業界における販売不振から脱却しようと模索している。今回「家事手伝いサービス」のチケットを情報端末で発売することにより、(実際にはベアーズがサービスを実施するものの)「ファミマで家事手伝いも『買える』」というイメージを消費者に刷り込み、魅力度を高める狙いがあるようだ。

・ファミマのメリット
(1)顧客誘引
(2)提供サービスのブランディング
・ベアーズのメリット
(1)販売網の拡大、アピール
・顧客のメリット
(1)サービスを手軽に注文できる

一方ベアーズ側でも「家事代行サービスの市場は拡大しつつあるが、利用したくてもどこに頼めば良いのか分からないとの声が大きい」と利用者の悩みを打ち明けている。そこでファミマと提携することで「誰でもすぐにサービスを見つけてお願いすることができる」という手軽さをアピール、自社のサービスを一人でも多くの人に使ってもらおうという狙いがあるのだろう。

家事代行サービスは女性の社会進出(共働きしなければならない経済状況も反映しているが……)が進むにつれてニーズも高まっている。当方(不破)の近所でも一、二年前に誕生したばかりの私設託児所が、見る見るうちに預かる子どもの数が増え、先日数倍の面積を持つ場所に移転していったのを目にしている。少子化が進めば子どもの数も減り、託児所のニーズも減るという計算のはずなのだが、それ以上に子どもを預けねばならない母親の数が増加しているようだ。

今回のファミリーマートによる家事代行のチケット販売は、いわばコンビニという多くの人が行き来する場所を利用した「マッチングサービス」のようなものだといえる。コンビニ側にとってもブランディングに一役買うことから、悪い話ではない。今後似たような「サービス提供型の事業との提携」が、コンビニ業界で次々に持ち上がるかもしれない。


(最終更新:2013/08/19)

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