「ピリピリ」「ヒリヒリ」感を数値化? マンダムが感覚刺激の評価法を開発

2007年10月11日 08:00

医療イメージ男性化粧品などを提供している【マンダム(4917)】は10月9日、化粧品を使用している時にまれに感じる「ピリピリ」「ヒリヒリ」などの不快な感覚刺激の評価法を開発したと発表した。実際に検証者の皮ふへの実体験によるデータの積み重ねではなく、「ピリピリ」「ヒリヒリ」を人間に感じさせる特定物質を検出し、その物質の量を確認することで感覚刺激を評価するのだという(【発表リリース、PDF】)。

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現在感覚刺激のメカニズムには不明な点が多く、そのために評価には「スキニングテスト」という手法が用いられる。これはサンプルを実際に肌に塗ってもらい、その刺激について回答してもらうもの。被験者数や部位、塗り方などを工夫すれば精度は向上するものの、元々「感覚」自身人それぞれモノサシが違うため、評価を測定することは難しい(例えば、ある人にとって「痛い」ものは別の人には「とても痛い」「くすぐったい」「ぴりぴりする」「気持ちよい」など多種多様の感覚となりうる)。

そこでマンダムでは、人は「痛い」「熱い」などの感覚刺激をどうやって感じるのかを追求。「刺激の情報が電気信号として脳に伝わり、それが『感覚刺激』となること」「その電気信号は感覚刺激を引き起こす化学物質が、感覚神経に存在するレセプター(スイッチとなる受容体、たんぱく質)によって電気信号に変換されること」、さらにはレセプターの代表格であるTRPチャネルの中でも、カプサイシンに反応するTRPV1やメントールに反応するTRPM8に着目。

さらにそれらのレセプターを強制的に培養させた細胞を作り出し、「カルシウムイメージング法」と呼ばれる方法で試薬に対して活性化するかどうかをチェックする。活性化が認められればそれだけレセプターが大いに反応している、つまり多くの信号を脳に送り得る、よって「ピリピリ」「ヒリヒリ」感を感じさせうると判断する。

二言でまとめると「ピリピリ・ヒリヒリ感を脳に伝える特殊なたんぱく質を培養して、試験を行ないたい物質と反応させる。たくさん反応すれば多くの信号を脳に伝えるだろうから、強いピリピリ・ヒリヒリ感を与えるだろうと推測できる」というもの。この方法ならどれだけ反応したかが絶対評価で判断できるため、「人のモノサシ」によるぶれを受けなくて済む。

リリースを読む限りでは具体的な「ピリピリ」「ヒリヒリ」感に直接関係するTRPチャネルを特定したわけではなさそう。だが、今後研究が進み検査方法も確立されれば、例えば体温計のように該当する物質にちょっと触れさせるだけで「これは30ピリピリ」「こちらは60ヒリヒリ」というような痛覚測定が出来る日もいずれやってくるかもしれない。

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