【更新】ゆうちょ銀行システム、一部でシステム障害続く

2007年10月09日 06:30

時節イメージ[読売新聞]などが報じたところによると、郵政事業の民営化で誕生した法人の一つ「ゆうちょ銀行」で、民営化初日の10月1日に発生したシステム障害が一週間経過した先週末の週末になっても原因不明のまま復旧せず、預け入れ限度額の1000万円を確認するための「名寄せ」が行なえず、一部の郵便局で新規口座開設などの業務を休止していることが明らかになった。ゆうちょ銀行などでは今件について、一切正式な発表を行なっていない。

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民営化されたゆうちょ銀行においても、現行では一人当たりの貯金残高は1000万円が上限とされている。そこで新規に口座を開いたり、大口の入金があった場合にはこの限度額が超えていないかどうか、同姓同名・同生年月日の顧客口座を「顧客情報管理システム」で「名寄せ」(同じデータで他の口座がないか確認すること。もしあればひとつにまとめて計算する)して照合し、残高総額が規程内か最終確認しなければならない。

ところがこの「顧客情報管理システム」でシステム障害が発生し、「名寄せ」が行なえないという状況が続いているという。システムそのものは5月に試験導入し、その時には問題がなかった。しかし本格導入した10月1日以降、接続がきわめて困難になる障害が発生しているとのこと。同じ作業が一度に行われたがためのシステム負荷の問題とも思われたが、一段落したあとも問題は継続していて、現在別の原因があるのではないかとして調査中とのこと。

さらに「名寄せ」が「顧客情報管理システム」で出来ない場合、それを行なわずに受け付けて続きを済ませる例外規定を示した指示文書を各郵便局に通知しているとゆうちょ銀行側では述べている(システム障害復旧後、限度額超過が判明した場合には、解約や払い戻し手続きを求める)。しかし多くの郵便局ではこれを受け取っていない・指示文書が多すぎて把握しきれないとし、口座開設や預け入れの一部を窓口で断っていると回答している。

ゆうちょ銀行側では「顧客サービスに問題は出ていない」「目だった苦情はない」とコメントしているという。

大規模に組織が変わった直後には、手続きや新規導入されたシステムの上で予想もしなかった事態が起きるのは避けられない。今件も、5月の(入力件数が少ない)試験の段階では問題がなかったのに本稼動した後問題が発生したということは、処理数の設定に甘さがあったのだろう。また、アクセスのピークを過ぎても症状が改善しないのは、データ上の「ゴミ」が蓄積されたままになるようなシステム構造になっているとも推測される。

「ゆうちょ銀行」の業務の根幹にも関わる問題なので、このままずっと「名寄せ」ができないことはありえないだろう。じきに原因は解明されてシステムも正常化されると思われる。とはいえ、ケチがついたことに違いは無く、原因究明の際に再発防止策もしっかりと練ってほしいものだ。

それと同時にこのような出来事が「公式な発表」として一切行なわれず、報道からの情報ではじめて明らかになった「ゆうちょ銀行の情報公開への姿勢のありかた」も問われるべきだろう。

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