メインバンクは「地銀」「三菱」「郵便局」

2007年10月09日 06:30

銀行イメージ【マイボイスコム】が発表した調査結果によると、いつも利用している銀行(メインバンク)としては「地方銀行」がもっとも多く、次いで【三菱東京UFJ銀行(8306)】郵便局(ゆうちょ銀行含む)の順であることが明らかになった。知名度や全国展開率ではメガバンクにかなわない地方銀行であるが、実際の利用度は言葉通り「身近さ」に寄るところが大きいことがうかがえる(【発表ページ】)。

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今調査は9月1日から9月5日の間にインターネット経由で行なわれたもので、回答者数は1万3632人。男女比は46対54で年齢構成比は30代39%をはじめ40代27%、20代17%など。

●メインバンクは「地銀」「三菱」「郵便局」

主に使っている銀行、つまり言葉通り「メインバンク」として利用している金融機関について答えてもらったところ、トップには「地方銀行」がついた。

メインバンクの金融機関は?
メインバンクの金融機関は?

数あるメガバンクを差し置いて「地方銀行」が10%近い差をつけてトップについているのは、後にデータが出てくるが「身近さ」(による便利さ)を考慮したものと思われる。大手銀行は二位の三菱東京UFJ銀行が健闘しているものの、【三井住友銀行(8316)】が四位、【みずほ銀行(8411)】が五位など、思ったよりもふるわない結果となっている。

一方で「身近さ」ではどの銀行にも引けをとらないはずの「郵便局(ゆうちょ銀行含む)」が三位に甘んじているのは、「一般銀行と郵便局の口座は別物」と考えている人が多いことや、振込みなどの点で銀行との連絡性に難があることからくるものだろう。

●口座開設のきっかけは「近くにある」から

ではメインバンクの金融機関に口座を作ったきっかけは何か。言い換えれば「どうしてその金融機関をメインバンクとして選んだのか」についてたずねたところ、「自宅や勤務先の近くにある」と答えた人が3割強を占めた。

メインバンクの金融機関に口座を作ったきっかけ(複数回答)
メインバンクの金融機関に口座を作ったきっかけ(複数回答)

手段や自宅・勤務先の違いはあれど、ランキングの上位三位までがすべて「自分の身近なところで利用できる」が挙がっている。ある程度の知名度や信頼度は必要であるし、できれば預貯金の金利は高いほうが良いが、それよりも何より、「身近にあってすぐに利用できる」というメリットが重要であることが分かる。

メインバンクであることの最大の条件は「近くにある」ということで間違いなさそうだ。

●メインバンクを現行から変えるニーズはあまりない

現在メインバンクとしていずれかの金融機関に口座を持っている人に、その金融機関の満足度を尋ねたところ、8割以上が満足していると答えている。

メインバンクへの満足度
メインバンクへの満足度

「どちらかといえば不満」という、明らかに不満を持っているわけではないがちょいと不満レベルの人ですら12.7%に過ぎず、明確な意思として「不満」を覚えている人の割合は5%にも満たない。

これは次の「メインバンクの継続利用意向」についてたずねた結果でも明らか。

メインバンクの金融機関を今後も使い続けたいか
メインバンクの金融機関を今後も使い続けたいか

明確な否定意思を持つ人は1%にも満たない。雰囲気的に使い続けたくない人も2.3%に過ぎず、肯定も否定もしない中立派は15.9%。残りの8割以上は「現状維持で良いのでは」という肯定派となっている。


先に何度か記事化してお伝えしたように、郵便事業が10月1日から民営化され、郵便局での貯金がゆうちょ銀行という「民間」企業扱いになった。今後、他の民間金融機関とのハードルも徐々に低くなるものと思われる。

ゆうちょ銀行が「普通の」銀行に
→1.他銀行口座利用者の移動は
あまり想定できない
→2.新規口座開設者には
魅力的な銀行に

将来、仮に他の民間金融機関とまったく同じようにシームレスで相互振込が出来、ゆうちょ銀行であることを意識せずに一銀行として使えるまでにハードルが低くなったとする(【全国銀行協会】への加入が必要だろうが、現状ではそれは難しいようだ)。その場合、果たして現在他の銀行をメインバンクにしている人が、あらためて口座をゆうちょ銀行に移すだろうか。

「現在のメインバンクの満足度」「継続利用意向」の調査結果を見る限り、そのような動きはほとんどないものと思われる。メインバンクの最大ポイントとして挙げられる「身近さ」ではゆうちょ銀行は他の金融機関がかなうところは無い。しかし、現行でもそのポイントを含めてそれなりに満足している以上、メインバンク変更の際の手間(各振込み機関に口座変更の手続きをすることなど)をかけてまでゆうちょ銀行に変更して得られるメリットはあまり無いからだ。

一方、これから新たにメインバンクを設定する人(新社会人など)にとって、他の民間金融機関とゆうちょ銀行の垣根が取り払われれば、ゆうちょ銀行はメインバンクの最有力候補に挙げられることだろう。

今後ゆうちょ銀行がどのように民営化を果たし、融通を利かせて便宜性を高めていくか。それ次第で「日本最強の地域ネットワークを持つ」ゆうちょ銀行のメインバンクとしての期待度は今まで以上に高まるに違いない。

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