長編仮想戦記小説『決戦!! 日米機動部隊』発売

2007年10月07日 12:00

『決戦!! 日米機動部隊』イメージ当サイトの管理人である不破が先日まで校正を手伝っていた、仮想戦記小説『決戦!! 日米機動部隊』が10月6日無事発売の運びとなった。情報規制も解除されたこともあり、告知もかねてここで紹介することにする。

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『決戦!! 日米機動部隊』イメージ決戦!! 日米機動部隊」は一時期一世を風靡した「シミュレーション戦記」あるいは「仮想戦記」小説のひとつ。舞台は第二次世界大戦の太平洋がメイン。ブームとなった時期に話題に登った「超絶兵器」「珍妙兵器」が大活躍したり、タイムスリップした未来の人が知恵を授けて日本軍を勝利に導く……という奇想天外な展開の話ではない。「バタフライ効果」という言葉で表現されるように、ちょっとしたきっかけや変化が次々と他に影響を及ぼし、史実と異なる歴史を歩み始めた「もう一つの歴史」を淡々と語っていくタイプのもの。

ストーリーはミッドウェー海戦直前から始まり、終戦にいたるまで、さまざまな海戦や陸戦、そして政治上の駆け引きなどが描かれていく。多少強引なところもあるが、「ありえない要素」は基本的に含まれておらず、運不運次第で起き得る可能性の一つが展開されていく。

元々1996年から1997年にかけて刊行された「逆転ミッドウエー海戦」シリーズ3部作(「 第二航空戦隊健在なり」「第一戦隊突入せり」「第一機動部隊出撃せよ」)を再編集して1冊に文庫本化しただけあり、ボリュームはきわめて大きい(600ページ強)。また、文庫本化に合わせて、つじつまの再検証と修正、一部描写の加筆(これら作業の大部分を当方が担当)が行なわれているため、既刊本をお持ちの方も手に取ってみる価値はあるかもしれない。

『決戦!! 日米機動部隊』内一号海防艦イメージ登場する主要兵器についてはシルエットによる図解・解説も掲載されているが、史実におりまぜてストーリー上の設定(仮想上のもの)が描写されている。史実との違いをチェックして、差異を楽しむのもありだろう。

なお今回掲載は見送られたが、執筆の際には各種ストーリープロットだけでなく、主要海戦・航空戦の際の戦闘結果におけるシミュレート、最後の「日米砲撃戦」では各主要艦艇の砲撃タイミングの時系列表(日米それぞれの艦艇の距離と砲弾到達時間や射撃速度なども計算した上でのもの)までつくり、記事の構成を行なったそうだ。

ツワモノも裸足で逃げ出すような強力な兵器がばったばったと敵をなぎ倒していくような仮想戦記が好きな人には合わないかもしれない。一方、少しずつ史実と違う歯車が回りつつ歴史が流れていくありさまを、読み通していくのが好きな仮想戦記ファンには一度チェックしてほしいと思う。

(最終更新:2013/09/08)

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