ダイエットしててもドーナツ食べてOK!?……要はカロリーの問題

2007年10月11日 08:10

ドーナツイメージ一時期「低炭水化物(低インシュリン)ダイエット」「GI値ダイエット」などと称して炭水化物系の食品の摂取を少なくして体重を削ろうというダイエット方法が大ブームを巻き起こした。今では沈静化しているが、それでも多くの人が挑戦し、そして成功を果たしている。ダイエットの手法と成果は人それぞれに得手不得手があり万能の法則はないが、この低炭水化物ダイエットでは炭水化物の多い食品は敬遠される傾向にある。ドーナツなどはもっての他。ところがこの説に異論を唱える人たちが現れている。彼らいわく「ドーナツ食べても大丈夫。ルールを守れば平気平気(Doughnuts are not the enemy, claims the professor of obesity)」とのこと(【参照:DailyMail】)。

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肥満関係の研究家であるGlenn Gaesser教授によると、でんぷんなどの炭水化物を摂取しても相当の砂糖の摂取をひかえることでダイエットを果たすことができるという。GI値だいえっとではパンやケーキ、じゃがいもなどはぜい肉をつけるばかりで絶対に採ってはいけないとする説に真っ向から反するものだ。教授いわく「炭水化物に対してヒステリーになるなんてナンセンスだ(anti-carbohydrate hysteria is nonsense)」。

教授は次のように述べている。何十万人もの食習慣と健康の分析により、「炭水化物を採った方が不健康(肥満)になるなどというデータは出ていない。むしろ、炭水化物を極端に制限した人の方がスリムで健康だった」と述べている。

バージニア大学の肥満学の教授Gaesser氏も、「今世間一般に言われている『炭水化物を採ると太る』という説とはまったく反対に、炭水化物を採っても太るわけではないというのが分かった」と述べている。「事実はまったくことなる」「炭水化物を避ける必要はない。彼らはダイエットの敵では無いのだ」。特に「炭水化物を避ける食事をすると、結局脂肪性の高い食事をたくさん採ってしまうため、太ることすらありうる」とも語っている。

さらにGaesser氏はアメリカの食事療法協会の冊子において「炭水化物はバランスのとれたダイエットにおいて重要な働きを示す。なぜなら炭水化物は繊維やビタミン、ミネラルを供給し酸化を防ぐ役割を果たすからだ」と主張。「ダイエットをしたいのなら炭水化物ではなくカロリーをおさえ、繊維をたくさんとり、定期的に運動し、脂肪の無い肉などを食べるべき」と述べている(ただしこの教授はパン業界から資金的な援助を受けていることに留意する必要がある)。

一方イギリスの栄養学者Patrick Holford氏はこの説に対し、「高炭水化物の食品は脂肪吸収に関連がある(だから低炭水化物ダイエットは有効だ)」と述べている。さらに「Gaesserが述べている『カロリーをおさえるべき』というダイエット法はここ20年程前から言われていることに過ぎない。彼は何も主張していないのと同じだ」「人体は思っているよりはるかに複雑で、血糖値も重要なのだ」と述べている。

各種関連サイトを見ても、低炭水化物ダイエットで成功した人や失敗した人がそれぞれ数多くいることから、万能ダイエット法ではないものの「効く人には効く」というのも事実だろう。しかし極端に「炭水化物をまったく採らない(大好きなドーナツも永久におさらば)」という食生活の変更もいかがなものか、という話も間違いではない。

先日【GIGAZINEで「毎日ハンバーガーを食べるダイエットで20kg以上の減量に成功」】という記事が掲載されていた。これも【該当する本人の食事メニュー】を見てみると、確かにハンバーガーショップのメニューばかりではあるが、1日のカロリー摂取量がわずか1300キロカロリー前後でしかなかった。通常の成人男性は2000キロカロリー強を必要とするので、その半分程度。さらに当人は毎日激しい運動もしたので、体重が落ちて当然である。

Gaesser教授は「炭水化物? そんなことよりカロリーだよ、カロリー」と主張し、Patrick Holford氏はそれを受けて「昔からそんなことは分かってる。お前ちゃんと研究してるんか」とツッコミを入れている。しかしこれらの事例を見る限り、Gaesser教授の主張はダイエットにおける大原則にして根本原理であり、そこまで否定することは無いのではないかと思われるのだが、どうだろうか。

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