ちょっと切ない物語・東京ガスの歴史テレビCM「織田信長」編最終回

2007年10月21日 12:00

台所イメージ最近はオール電化住宅の普及で多少押され気味なガス会社だが、イメージ戦略などで必至に劣勢を挽回しようという姿勢も見て取れる。その中でも注目されるのが、【東京ガス(9531)】の「ピピッとコンロ」などのタイムマシン編(?とでも呼ぶのだろうか)。洋服タンスから歴史上の人物が登場し、「ピピッとコンロ」をはじめとした東京ガスの主力商品を見て無邪気に喜び、その良さをアピールするというもの。既知の人物像とのギャップに笑いを誘うものが多かったが、最近公開された「ピピッとコンロ『信長・本能寺』編」には少々違うイメージがあった。

スポンサードリンク

【詳細はこちらの一覧ページ】【ダイレクトリンクはこちら】。妻夫木聡氏が歴史上の人物を相手に、何ら違和感も感じずに応対をするという現代人の役を演じている一連のテレビCM動画が掲載されている。織田信長関連でいえばすでに配信は終了してしまったが、「信長・利休編」に始まり、「信長光秀・ガス展編」「信長光秀編」などがある。

今回気になったのは、上記一覧ページの一番上に掲載されている、「ピピッとコンロ『信長・本能寺』編」。少しでも日本史に詳しい人ならタイトルを見て、それこそ「ピピッ」ときたかもしれないが、本能寺といえば織田信長が明智光秀の謀反によって打ち倒された場所でもある。

いつものように洋服タンスから「腹減った~」と叫びつつ飛び出してくる信長と、すでに顔なじみになりフランクに答える妻夫木氏。すでに顔なじみとなった信長にピピッとコンロの機能を説明しながら料理を披露して驚かせ、信長のお腹を満たさせる。常連さんが居酒屋の会計を済ませて店を出るがごとく帰ろうとする信長が口にした言葉「じゃあ、本能寺に戻るわ」。歴史の事実を知っている妻夫木氏が戻らないよううながすが、信長は何かを悟ったような顔をし、妻夫木氏に二人で撮ったプリクラ写真付の印籠を差し出す。そして一言、「達者でナ」との言葉と共に、元の時代に戻っていく。

わざわざ甲冑姿で登場した今回の信長。もしかしたらすでに本能寺で光秀の軍勢に取り囲まれ、自分の命運を悟ったあとに妻夫木氏の部屋へやってきたのかもしれない。そんなシチュエーションさえ想像され、それを思うと信長の「達者でナ」の一言とその時の顔が、「歴史には逆らえない、受け入れるしかない」という悟りを開いたような表情にすら見えてくるから不思議なものだ。

これまで「信長編」をはじめとする歴史上の人物編では、それぞれの人物の特性をうまく活かした、それでいてどこか笑わせてくれるものばかりだった。それだけに今回の「ピピッとコンロ『信長・本能寺』編」の切なさが余計に印象深く心に残ってしまう。

最近はテレビCMも低予算化と勘違い化が続き、後に残るものを見受けることはほとんどない。そのような中で、久々に「心に刻み込まれた」感のあるCMに出会えたような気がする。


■関連記事:
【「オール電化」とガス会社の攻防・現状では電化優勢】

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ