少子化問題は経済問題!? 子育てで資金面に不安を持つ人が約7割

2007年10月02日 08:00

時節イメージgoo リサーチポータルが9月26日に発表した調査結果によると、子育てについての不安要素として約7割の人が「養育費などの資金面」を挙げていたことが明らかになった。「きちんと教育できるか」という子育てのベースともいえる教育問題を差し置いて、多くの親が資金面の不安を持っている現状がうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査はインターネット経由で8月23日から28日に行われたもので、全国の10~30台の男女545人が回答。男女比は1対1で、学生37%・正社員30%・専業主婦(主夫)12%など。回答数がやや少なめなので、世間の実情とは多少のぶれが生じている可能性がある。

もっとも不安な要素は「資金面」

子育てについての不安要素を複数回答でたずねたところ、もっとも多いのは「養育費などの資金面」で69%と7割近くを占めた。

子育てについての不安要素
子育てについての不安要素

国力そのものや経済問題にも直結しうる、次世代を支える子どもたちを育むという重大な「子育て」。その「子育て」について「経済的な問題から不安が生じている」というのは国策上の問題といわれても仕方が無い。少子化やそれを起因とする将来的な経済活力の衰退、年金問題が叫ばれているが、根本的な原因の一つがここにあると思われる。

不安要素は二つ。
・子育て資金
・子育てのノウハウ

住宅問題や仕事の問題も突き詰めれば金銭問題にいきつくことになる。例えば第三位の「育児と仕事を両立できるか」も、(金銭面ではなく)仕事が好きだから、という人を除けば「仕事を休むと実入りが減るから……」という経済面が大きく関わってくるものと考えられるため、第一位の「資金面」に深い関係があると考えてよい。

「子どもを産み、育てたいけど金銭的にちょっとムリ……」と子作り・子育てをお金の面からちゅうちょするような世の中から脱却するよう、国も自治体も関連団体も、あらゆる手を打つべきだろう。

一方で第二位の「きちんと教育できるか」は子どもを育てていく上での情報不足に起因している。一般の教育課程では子育てについてはほとんど教えていないため、多くの親が不安がるのは当然といえる。かつては親の親、生まれる子どもからすれば祖父・祖母(お爺さん・お婆さん)が子育ての先生たる立場になり、親に色々と教えたものだが、今では核家族化が進みそれもなかなか適わない。

さまざまな子育てノウハウ本や定期発刊誌が発売され、子育てママたちのコミュニティサイトがみせわいを見せているのも、そのようなニーズからくるものだろう。昔の「祖父・祖母」の役割を本やコミュニティサイトが充当してくれるのかどうかは未知数だが、それが実際に役立つものならば、積極的に活用してほしいものだ。

「子どもは二人ほしい」が約半数、一方で10代では1割強が「子どもは要らない」

不安要素から裏返し考えると、特に経済面で子どもが育てにくくなっているとも推定できる昨今、将来的に子どもは何人ほしいかを年齢層別にたずねたところ、全体では約半数が「二人」と答えている。

将来的に子どもは何人ほしいか
将来的に子どもは何人ほしいか

生物学的な人口比率で考えると、夫婦二人(男性と女性)から二人強の子どもが生まれないとそのコミュニティの人口は漸減してしまうことになる。成人になるまでに亡くなってしまう可能性を考慮すると「二人から二人」では現状維持すら出来ないからだ。

「欲しい子どもの数」の平均は
全体で1.72人。
10代では13%が
「子どもは要らない」

アンケートでは整数単位でしか回答を受け付けていないので「二人が最も多い」という答えしかないが、これを仮に「四人以上は四人」と計算し、「欲しくない」「答えたくない」を除外すると、全体では(子どもが欲しい家族では)「2.18人の子どもが欲しい」という答えが出る。望みの数どおりの子どもが養えるとすれば、人口維持はかろうじてかなうというレベルだろう。

ただしこれを「欲しくない」「答えたくない」を「子どもの欲しい数はゼロ」として考慮すると、全体では「欲しい子どもの数は1.72人」ということになる。この数字が維持されるとなれば人口の維持すらままならない。ちなみに10代では1.57人、20代では1.89人、30代では1.66人と、20代が一番多い結果となっている。結婚直後の夫婦がたくさんの子どもに囲まれた家庭を夢見ているから、ということなのだろうか。

さらに表上赤く囲ってある部分にもあるが、10代では13%と1割強の人が、30代でも11%が「子どもは欲しくない」と回答している。少子化の流れに歯止めがかけられるのか、不安は広がる一方だ。


経済や社会など統合的な「国の力」は突き詰めれば足元にある資源と共に、その上に住まう人、つまり人口から導き出される。武田信玄なら「人は城、人は石垣、人は堀」というところか。考え方を変えれば「人も資源の一種類」という見方もありだろう。かつての「産めよ増やせよ」ではないが、国を国として維持するためにも、その最大の構成要素となる「人」は一定数を維持し、できることなら増やしていかねばならない。年金問題一つをとっても、(社会保険庁の管理不行き届きなどを別にすれば)若年層の人口低下が大きな原因。

そもそも結婚そのものへの見方が変わりつつあるし、結婚しても女性の社会進出の増加や、子どもを生み育てること自身への価値観の変移もある。一概に「金銭的問題」「子育てノウハウの問題」が少子化対策にあるとは言い切れない。

それでも多くの親が子育ての上で「資金面」と「子育ての情報不足」を不安視している以上、繰り返しになるが政府も地方自治体も関連団体も、全力をもってこれらの問題を解決すべく手を打たねばならないだろう。

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