レジ袋の有料化、7割が賛成

2007年10月20日 12:00

時節イメージiMiリサーチバンクが10月19日に発表した環境資源問題に関する調査結果によると、ゴミのリサイクル活動の一環として一部スーパーで導入されている「レジ袋の有料化」について、7割近くが賛成していることが明らかになった。導入時には「店そのものの利用が敬遠されるのでは」との懸念もあった「レジ袋の有料化」だが、実際には多くの顧客がその意義を認め、賛成してくれているようだ(【発表ページ】)。

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今調査は8月23日から27日の間に行われ、有効回答数は2182件。調査属性については「全国男女」としか発表されていない。

環境問題への興味は9割、レジ袋の有料化賛成は7割

まず最初に尋ねたのは、そもそもごみ減量化や資源のリサイクルなど環境保全・資源循環の取り組み(いわゆる環境問題)に興味はあるかないか。環境問題に興味がなければ、レジ袋の有料化にも首を縦にふらないだろう。

■「ごみ減量化」「資源のリサイクル」といった環境保全、資源循環の取り組みについて興味はあるか

・大変興味がある……32.6%
・多少興味がある……57.7%
・あまり興味はない……8.4%
・まったく興味はない……1.2%


興味のある派は合わせて90.3%と9割を超え、ほとんどの人が多かれ少なかれ興味関心をいだいていることが分かった。興味がない派も「あまり」のレベルの人がほとんどで、「まったく興味なし」という人が1.2%に過ぎないのは、幸いなところ。

では「レジ袋の有料化」についてどう思うか。これについては7割が賛成と答えた。

■レジ袋の有料化について

・賛成……69.9%
・反対……30.1%


二者択一で「Yes/No」でしかないため極端なデータが出たが、恐らく上記「環境問題」への問い同様、「反対」の意見の少なからずが「やや反対」という消極的反対の意見と思われる。

「賛成は7割だが反対が3割もいる。やはりレジ袋を有料化するとお客が減ってしまう(他店舗に流れる)のでは」と心配する人もいるかもしれない。その心配を打ち消すだろうのが、次の設問「レジ袋が有料化されたらどうするか(有料化されている場合はどうしているか)」

■普段使っている店のレジ袋が有料化されたら? または有料化がすでに行なわれている場合は??

・これまでと同様にその店を利用(エコバッグ利用)……70.2%
・これまでと同様にその店を利用(レジ袋購入)……7.2%
・これまでと同様にその店を利用(使用済みレジ袋を複数回利用)……13.8%
・近くにレジ袋無料の店があればそちらに変える……8.0%
・多少遠くなってでも、レジ袋無料の店に変える……0.8%


レジ袋を購入する人、エコバッグを使う人さまざまではあるが、9割以上の人がそのまま今まで通りの店を利用すると答えている。1割弱は利用店舗を移動する可能性があるが、この数は上記「環境問題への関心の有無」で「無い」と答えた人の割合にほぼ匹敵するのが興味深い。恐らくは「環境問題に興味が無い」→「興味がないのに余計な出費は許しがたい」→「無料店舗に変える」という図式が成り立つのだろう。

環境問題対策は「家計財政対策」

今調査では具体的に「ゴミを減らすための心がけ」「リサイクルについての心がけ」「省エネの心がけ」についてもたずねている。それぞれのうち上位を占める回答を抽出すると次のようになる。

■ゴミの軽減
・詰め物の商品を購入……74.5%
・食べ物を余らせないように……57.6%
・コンビニやスーパーでレジ袋を辞退……53.1%
・ティッシュは無駄に使わずふきんや雑巾を使う……29.8%
・割りばしを使わずに自分のはしを使う……26.4%

■リサイクルへの心がけ
・缶やビンの回収協力……77.3%
・ペットボトルの回収協力……77.1%
・新聞や雑誌の回収協力……70.8%
・スーパーなどでの牛乳パックやトレーの店頭回収協力……41.8%
・リサイクルショップなどを利用する……30.3%

■家電の省エネ
・無駄な明かりをこまめに消す……81.3%
・エアコンの設定温度調整……73.2%
・テレビを見ない時はこまめに消す……61.9%
・長時間使用しないものは主電源を切る……55.3%
・冷蔵庫の開閉を素早くするなど冷気を逃げないようにする……41.2%


これら一覧を見るとお分かりの通り、一部今まで以上にコストがかさむものもあるが、大半(特に省エネ部分)は実行することで出費の削減も図れることが分かる。ささいなこと、ほんのわずかなことではあるが、積み重ねによる効果は大きい。しかもそれが地球全体への貢献という、大げさではあるが確かなことにつながるのだから、是非ともチャレンジするべきだろう。


「レジ袋の有料化」では完全に「家計への貢献」と「地球環境問題」が逆行する形になってしまっているが、他の問題については「地球環境問題」への対策が大いに「家計へも貢献」しているのが分かる。よく考え直せば、資源を使えばそれだけ経費が発生するのだから、その資源利用を抑えることで経費を削れるのは当然といえよう。

「地球環境を守るために」という主張は確かに重要だが、多くの人にとっては規模が大きすぎてつかみづらいところがあるかもしれない。あるいはきれい事過ぎて心情的にさめてしまうのかも。それならばいっそのこと、最終的には行き着くところは同じだが、もっと身近で分かりやすく、多くの人の生活に直結する「財布の中身を守るために」とのアピールで省エネを行うのはどうだろうか。

「無駄な電気を使わずに冷蔵庫の開け閉めをすばやくするだけで、一年間に●×%のエネルギーが節約でき、二酸化炭素量を□△だけ減らせます」といわれても頭に「?」を浮かべてしまうことだろう。それよりも「無駄な電気を使わずに冷蔵庫の開け閉めをすばやくするだけで、一年間に電気料金を●×円減らせます。これは缶ジュース□△本分です」とアピールする方が分かりやすく、そしてやる気を奮い立たせるに違いない。

必要なのは結果。そして問題そのものへの興味関心をひかせること。レジ袋の有料化にしても、単に「地球環境云々」とするのではなく、もっと分かりやすく身近な例えでアピールすれば、3割の反対派がもっと減り、1割の他店舗利用者も半減するかもしれない。

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