メールにカメラに大活用・60~70代もケータイバリバリ世代

2007年10月24日 06:30

モバイルイメージgooリサーチが10月22日に発表した調査結果によると、60代から70代の高齢者のうち、実に8割以上が携帯電話を所有し活用していることが明らかになった。また、その機能活用についても単に「持ち運びが出来る電話」としてだけではなく、メールやカメラ機能など、いわゆる「情報モバイル端末」として携帯電話を利用している姿が見受けられる(【発表ページ】)。

スポンサードリンク

今調査は10月11日にネット経由で行われ、対象は60・70代の男女965人。男女比は公開されていないが、年齢層比は60代が72.7%、70代が27.3%。

若年層においては固定電話の契約を解除して携帯電話だけを利用するというライフスタイルが増えている。逆に高齢者においては「電話など固定電話があれば十分」というイメージ(偏見?)もあるが、この件については「固定電話99.3%」「携帯電話80.8%」という結果が出ており、「固定電話を持っているから携帯電話を使わない」「(若年層のように)携帯電話があるので固定電話はキャンセル」というパターンは無いようだ。

60~70代の
・携帯電話所有率80.8%
・携帯電話自己購入率89.5%

また、携帯電話の所有者に対して入手方法を尋ねたところ、「自分で買った」が89.5%、「家族からのプレゼント」が7.2%という回答が得られたという。コマーシャルなどでよく見かける「誕生日におじいちゃんに携帯電話をプレゼントしてメールや電話を云々」というパターンはあまり無いようである。

携帯電話の一番主要な機能である「電話機能」については「必要な連絡」「待ち合わせ時の連絡」「帰宅連絡・確認」「居場所の確認」などが多く、よくかける相手も家族を抑えて「友人」がもっとも多い。また、通話時間も「5分未満」が92.7%と最多を占めている。これらのことから、60・70代の携帯電話の利用スタイルは、「時間に余裕が持てるようになり、色々と出回りをしたり知人と遊んだりする際の待ち合わせや連絡のために用いる、トランシーバー的な役割」を携帯に持たせていることが分かる。意外にも、普通の固定電話で行なわれるような長話には使われていない。

60~70代の携帯電話利用スタイル
→頻繁に発生する遊び仲間との
連絡や待ち合わせ、確認
(トランシーバー的活用)

もちろん現在の携帯電話は単に通話機能だけでなく、多種多様な機能を有している。それらの機能をどれだけ活用しているかについてたずねたところ、「メール」「カメラ」の両機能については7割前後の人が利用していることが分かった。

通話以外で活用している機能
通話以外で活用している機能

「電子メール」は78.1%ときわめて多いが、これは電話機能同様に相手に直接意思疎通が出来る機能であり、必要不可欠なものだからだろう。また、次の順位につけている「カメラ」とも密接な関係があるため、覚えないわけにはいかないという必要性がある(撮影した写真をメールに添付して送るため)。

60~70代の二大携帯電話使用機能
「電子メール」
「デジタルカメラ」

「カメラ」は「電子メール」よりやや劣るものの、それでも7割近くの人が利用していると答えた。「銀塩カメラよりはるかに簡単に扱えて失敗を気にすることもない。手軽に持ち運べて撮った写真をすぐに相手に送ることもできる」という、携帯電話のカメラ機能は、時間を楽しむために出かけることが多くなる60・70代にしてみれば、必要不可欠な機能といえよう。

「電子メール」「カメラ」の2機能がとりわけ高回答を得ており、高年齢層の携帯電話利用者においては、まずこの2つが使用されていると考えてよい。

かなり利用割合が減り、2割台まで下がると「携帯用ウェブサイト閲覧」「カレンダー・スケジュール管理」「アラーム」「留守番電話」が顔を見せる。しかしこれらはいずれも五人に一人の割合程度でしかなく、「使っている方がまれ」の部類に入る。携帯電話のソフト・ハード提供サイドからすれば、これらの機能もぜひ使ってもらいたい心境だろうが、現状ではあまり望まれていないようだ。

携帯電話を所有してどのような考えかたを持つようになったかという問いには、「外出がしやすくなった」で5割強が肯定的、「便利になった」で8割強が肯定的、「無くてはならない存在」が5割弱の肯定意見を得ている。

携帯電話に対する考えかた
携帯電話に対する考えかた

先に【「ネットが無いと生活できない」10代から30代で3割・壮齢層は女性の方が依存度が高い】で紹介した内容とは選択肢も条件も異なるため一概に比較はできないが、若年層に勝るとも劣らない割合で携帯電話の必要性・依存性が高いことが推定できる。


調査結果本文でも指摘されているが、時間に余裕がとれるようになった60・70代の人たちがそのアクティブなライフスタイルを有意義に実践するため、携帯電話を積極的に利用していることが今調査から想像される。また今調査では男女別のデータが公開されていないので詳細は不明だが、上記に参照リンクとしてあげた「「ネットが無いと生活できない」10代から30代で3割・壮齢層は女性の方が依存度が高い」の傾向に見られたように、男性よりも女性の方が携帯電話をアグレッシブに利用している可能性が高いと思われる。

「携帯電話は色々な機能が付きすぎてワケが分からない。持ち運びできる通話機能としての電話だけで十分」といううたい文句で、高齢者向けの携帯電話を大々的に販売している時期があった。今でもそのような機能限定の携帯電話のニーズは多く存在するだろうし、これからも選択肢の一つとして欠かせないものには違いない。

しかし今後(今まで壮齢・若年層が高齢化することもあわせて考えると)、少なくとも「電子メール」と「デジタルカメラ」くらいは機能として装備し、しかも「大きな文字で分かりやすい操作方法」にて提供するもののニーズが確実に増えてくるだろう。また、第三者的な立場からすれば、GPS機能を持たせて定期的に自己の位置を特定の人に教える仕組みも重宝されるかもしれない。

いずれにしても今後は、年齢層を絞った市場展開ならともかく、広範囲なマーケットを想定するのなら、携帯電話の市場でも高齢者のことにも配慮した仕組みを考える必要が出てくるに違いない。

(最終更新:2013/08/18)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ