100兆円単位の資金が自由運用へ・ゆうちょとかんぽ、国債以外の自由運用を申請

2007年10月06日 12:00

株式イメージ10月1日に郵政民営化で発足した日本郵政グループのうち、銀行業務を取り扱う【ゆうちょ銀行】と保険業務を行なう【かんぽ生命保険】はそれぞれ10月4日、金融庁や総務省に対し、資金の運用対象の自由化(デリバティブ取引を含む)の認可を申請した(【ゆうちょ側リリース】【かんぽ側リリース】)。

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ゆうちょ銀行は貯金残高188兆円・総資産226兆9910億円、かんぽ生命保険は総資産114兆円と、それぞれの業界内では日本最大規模の金融機関。これまでは主に国債で運用している。今回の申請について、金利変動リスクをコントロールしつつ長期安定的に収益を確保するためには、資金運用の手段を多様化することが必要不可欠とその理由を説明している。具体的な運用先としては、他の金融機関との合同で企業に融資する「シンジケートローン」、国債以外の債券や株式への投資、デリバティブなどを求めている。

申請は政府の郵政民営化委員会の審査を経た上で、何の問題もなければ認可が出て、早ければ半年前後で幅広い運営が行なわれる予定。

大半の運用先が国債の場合、金利が上昇すると損失を被る可能性がある。資産運用先の偏りの分散や運用利回りの改善のため、手法の多様化は必要不可欠で、民営化の一つの要でもあった。多額の資金が流入する可能性が高く、国債以外の債券や株式市場では活性化が期待できる。

一方、多様化されることにより国債の買い手が減ることをはじめ、多額の資金を「上手に」運用することが果たしてゆうちょ・かんぽに出来るのか、巨大な資金の投入が市場を混乱させることにならないか、懸念もないわけではない。

民営化されたことで失敗には相応の責任が生じる。どこぞの国の社会保険庁のように無駄使いをして浪費したり、職員がふところに納めるような事態は起きにくいだろう。むしろ元々国の公共財産だった郵便事業の多額の資産が無駄にすり減らされたり、国民にとってプラスにならない運用をされないよう(例えば無茶なデリバティブ取引で多額の損失を受けるなど)、気をつけてほしいものだ。

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