アスキーとメディアワークスが合併へ・新社名は「アスキー・メディアワークス」

2007年09月28日 08:00

書籍イメージ【角川グループHD(9477)】は9月27日、同社の連結子会社であるメディアワークスとアスキーが、両社の合併に関して協議を開始することを決議したと発表した。合併予定は来年2008年4月1日、合併方式や合併の際の株式比率は今後の協議によって決定する(【発表リリース、PDF】)。

スポンサードリンク

リリースでは今回の合併の理由について、出版業界を取り巻く環境が変化する中「メディアワークスとアスキーは競合するところがなく相互補完できる関係にある」こと、両社の強み(メディアワークスのエンタメ領域、アスキーのITやパソコン領域)を組み合わせれば「より強力で多彩な事業領域の展開」ができ「経営的な合理化も図れる」との理由からくるものと説明している。

なおメディアワークスは角川グループホールディングスの完全子会社、アスキーはメディアリーヴス(角川グループホールディングスが97.2%を持っている)の完全子会社であり事実上の角川の孫会社にあたる。また、合併後の新社名は「株式会社アスキー・メディアワークス」の予定。

アスキーといえば「月刊ASCII」やマイクロソフトとの総代理店契約時代を持っていたこと、MSX規格の提唱、『ダビスタ』、週アスの発刊などIT・エンタメ系の歴史に欠かせない業績を残している。一方で合併や吸収を繰り返したり、エンタメ部門としてエンターブレインを分社化するなど、会社構成上は波乱に満ちた歴史を持つ。

一方メディアワークスも、「電撃」シリーズの展開などデジタル系のエンタメ部門では、特にマニア層向けの商品展開において欠かせない存在となりつつある。またアスキー同様会社構成上は、角川の内紛に端を発した一部部門の(主婦の友社のサポートによる)スピンアウトによるスタートにはじまり、角川トップの交代劇による角川の子会社化、同業他社のエンターブレインをも角川の傘下に入ることによる業務の競合など、複雑で波乱万丈の歴史を経験している。

今回の合併劇は元々両社とも角川の関連会社ではあるものの、競合関係にあるエンターブレインとメディアワークス両社にとって、新たな関係を構築するものとして注目されることだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ