個人金融資産は投信と国債へ・個別株式は敬遠?

2007年09月23日 12:00

株式イメージ先に【2007年6月末の個人金融資産、1555.4兆円と過去最高額に】でお伝えした、日本銀行が9月18日に発表した資金循環統計(速報値)によると、ここ数年の間に個人の金融資産は投資信託(投信)と国債に重点が置かれていることが明らかになった(【発表元データ】)。

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資金循環統計では2006年第1四半期から2007年第2四半期まで、四半期ごとに各部門別の金融資産などのデータが公開されている。その中で、家計における金融資産について抽出を行い、2006年第1四半期からの変化率を折れ線グラフ化すると次のようになる。

2006年第1四半期から2007年第2四半期までの四半期ごとの家計における金融資産・主要項目ごとの変化率(2006年第1四半期を1.00とした場合の変動値)。
2006年第1四半期から2007年第2四半期までの四半期ごとの家計における金融資産・主要項目ごとの変化率(2006年第1四半期を1.00とした場合の変動値)。

グラフはあくまでも基準値からの変動率であって、絶対額でないことに注意してほしいのだが、現金や預金、金融資産の合計、保険や年金準備金の変動率はさほど大きなものではないことが分かる。その一方、日経平均の変動とは無関係に投資信託や国債など、株式以外の証券の資産残高が増加していることが見て取れる。

対外証券、つまり外国の証券も上昇幅が大きいがこれはもともと絶対額が小さいためにぶれも大きいことを起因とする。ただ、国外の証券に注目が集まっていることは否定できまい。

見方を変えて、主な投資先ごとに絶対額の変化を同じく折れ線グラフで描いてみる。

家計における主要投資先毎の絶対額の変化
家計における主要投資先毎の絶対額の変化

2006年第3四半期から日経平均は堅調に推移しているが、株式への投資額の増加はあまり見られないどころか横ばいの傾向にある。これが単に「投資資金の減少」を示すのか「保有株式の評価損」を示すのか、それとも「損失確定による運用の失敗」を示すのかはわからないが、くだんのライブドア・マネックスショック(2006年初頭)から下降が止まらない新興市場銘柄には多くの個人投資家が投資をしていたことを考えると、後者2つの可能性が高いと推測される。

一方、先のグラフでも明らかになったように、国債や財融債、投資信託の資産残高はゆるやかなカーブながらも右肩上がりの様相を示している。特に2006年後半以降の伸び率が高い。家計の金融資産残高合計の上昇率以上にこの項目の上昇率が高いことから考えるに、個別銘柄に投資して痛い目にあった個人投資家が、国債や投信、特に投信へ逃げていることの現われだろうか。

現在は2007年第3四半期のまっただ中だが、この時期には例の「8月中旬の大暴落」「サブプライム急落」を経験している。この株価変動で家計の金融資産動向にどのような変化が生じたのか、今後発表されるデータが気になるところだ。


(最終更新:2013/08/19)

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