【更新】スクープも「ウェブ・ファースト」! 産経とマイクロソフトで「MSN産経ニュース」が10月スタート

2007年09月26日 08:00

時節イメージ産経新聞と産経デジタル、マイクロソフトは9月25日、10月1日から共同運営ニュースポータルサイト[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]をスタートすると発表した([発表リリース])。従来の[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]がこれに切り替わる形となる。従来マイクロソフトは毎日新聞社と共同して「MSN毎日インタラクティブ」を運営していたがこれを9月30日で終了。産経グループに乗り換える形となる。同サイトでは「ウェブ・ファースト」を旗印に、取材した情報を「いち早くネット」で伝えると共に、速報にとどまらず、新聞の高い完成度にウェブの特性を加えた質・量ともに充実したニュースサービスをセールスポイントとするとのこと。

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「MSN産経ニュース」の特徴は次の通り。

・「ウェブ・ファースト」。
・記事掲載期間を原則6か月に延長。一部記事では削除期間を設けない。
・写真サイズの一部を壁紙サイズ(1024×748)で提供。
・紙面には掲載しきれない記者会見や刑事裁判の詳細、記録を素早く報じる。
・Windows Live Messenger機能が組み込まれ、気になるニュースをその場で「口コミる」ことが可能。
・記事中で知りたいワードをLive Searchサイドビューで(検索ボックスに入力することなく)知ることができる。
・Windows Vistaガジェットなどの提供。
・ブログパーツ「ざわざわニュース」(「ニュースキャスター」が最新ニュースを伝えてくれる)
・有料サービスは現状では検討していない。


ブログパーツの提供や記録の詳細の掲載など、興味深い項目がいくつも見受けられるが、何より驚きなのは「ウェブ・ファースト」というコンセプト。要は「本紙である新聞よりも先に、ウェブサイト上にスクープを掲載しますよ」ということ。従来はよほどの速報性が必要なニュースでない限り、ウェブサイトを持つ新聞社は「本紙新聞に掲載」「その新聞が発売されてからスクープを掲載」というスタイルを採っている。あくまでも「メインは紙媒体の新聞」という考え方からだ(例えば日経新聞主催のNIKKEI NeTでは、朝刊が配布される基準時間の午前7時以降でないと、その朝刊に掲載されたスクープ記事などが掲載されない)。

スクープネタが状況によっては紙媒体の本紙よりウェブ上が先行すると、「本紙新聞の売上が減るのでは」という懸念もある。しかし産経グループ側では紙媒体独自の特性を活かして、紙面・メディア作りを進めて行くとのこと。

先に【「新聞没落」…週刊ダイヤモンド最新号を読み解く】でも触れたように、大手新聞社グループでは読売・朝日・日経が「共通ポータルサイトANY」を模索しておりグーグルと密接な関係にある。一方でマイクロソフトと袂を分けた毎日はヤフーと関係を密にしている。今回産経がマイクロソフトと手を結んだことで、

・ANY連合……読売、朝日、日経[グーグル]
・毎日[ヤフー]
・産経[マイクロソフト]


という、それぞれ有力検索・ポータルエンジンと手を結んだ、大手新聞社のウェブ上での三勢力鼎立の状況が完成することになる。

産経グループはデジタル面では、例えば【iza!】で読者ブログとの融合化を図ったりトラックバックを(常識上の規制はあるが)新聞社サイトにも関わらず積極的に受け付けるなど、先進性の面で一歩先んじているイメージが強い。「新聞没落」ではこれを「小回りが効きやすいので」と説明しているが、それはさておくとしても、10月1日以降の「MSN産経ニュース」の展開が楽しみでならない。個人的にもかつての新聞社共同サイト「47News」の登場時より期待し、胸をときめかせている今日この頃だ。

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