水産品や秋もの商品の売上が伸び悩み…2007年8月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-0.5%

2007年09月26日 19:35

時節イメージ【日本チェーンストア協会】は9月25日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2007年8月度における販売統計速報を発表した。それによると食料品の一部でやや堅調さを見せたものの全般的にふるわず、店舗調整後の総販売額は前年同月比で0.5%のマイナスとなった。水産品や秋もの商品の売上が伸び悩み、売上高を下げる原因となったようだ(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の79社・8664店舗に対して行われている。店舗数は先月比で6店舗減、前年同月比で158店舗減と減少傾向にあるが、売り場面積は先月から相変わらず増加しており前年同月比102.3%と2.3%ほど増えている。「店舗の集約・大型化の促進」が先月同様に進展しているのが分かる。

だが売り場1平方メートルあたりの売上高は前年同月比で97.8%と落ちており、一方で従業員数は101.3%と増加している。これだけを見ると採算性は悪化しているようである。従業員数は正社員+パートで表されているので、正社員数を減らしてその分パートを増やし、賃金総額を軽減する方向で経営改革が進められているのかもしれない(売上高が落ちてもそれ以上に人件費を削れば、収益は増える)。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆1789億6677万円
・食料品部門……構成比:63.2%(前年同月比99.7%、▲0.3%)
・衣料品部門……構成比:10.8%(前年同月比98.8%、▲1.2%)
・住関品部門……構成比:19.5%(前年同月比99.0%、▲1.0%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比101.0%、△1.0%)
・その他…………構成比:6.2%(前年同月比100.8%、△0.8%)


猛暑で夏物は売れたが
全体的な小売業不振は続く。
プラスはサービス部門のみ。

8月は各地で日中の最高気温が観測史上記録を塗り替えるなど高温が続き、夏物商材が好調だった。しかしその一方で水産品、秋もの商材の売行きが鈍く(前者は暑さで敬遠され、後者は夏がまだしばらく続くとの推測から敬遠)、総販売額を下げることになった。

7月は例年と比べて梅雨の到来が多く長雨だったこと(平年比で降雨量が99.7%~189.7%、平均気温が-0.5~-1.3度)など、気候の悪化がスーパーやデパートへの来客をちゅうちょさせ、結果として売上高も落ち込んだものと思われる。また夏服など衣料品や家電商品(エアコンなど)における季節商材の売り上げの頭を抑えたようだ。

食品分野では焼き肉用の精肉、アイスクリームや飲料、さらにめん類やめんつゆなど夏物が堅調だったものの、先月に続き中国リスクに起因する水産品の一部(うなぎ)などは不調。先月落ち込んでいた分野の衣料品部門では水着、紫外線防止関連グッズなどが売れたものの、昨年同月比でプラスに転じるまでには至らなかった。

昨年同月と比べて店舗数は減っているものの、売り場面積・従業員数は増加している。消費者の来店・消費が昨年通りなら、もう少し売上が上がってもよいはずなのだが、実際にはここ三か月連続して「前年同月比マイナス」を記録している。小売業の軟調さは特にチェーンストア(スーパーやデパートなど)の大型店に強く現れているのかもしれない。

(最終更新:2013/08/19)

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