パソコンネットショッピング、年間11回以上・計10.6万円のお買い上げ

2007年09月01日 12:00

インターネットイメージ富士通総研は8月30日、パソコンからインターネット経由でのショッピング(消費者向け電子商取引)の現状を調査したレポートを公開した。それによると1年間にネットショッピングをした平均回数は11.6回におよび、その合計金額は10万6174円に登ることが明らかになった。1回のお買い物で9133円を消費していたことになる(【発表リリース】)。

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今調査は4月13日から30日の間に、10歳から69歳までの間でこの1年間にネットショッピングをした人に対しインターネット経由で行なわれたもの。2000件の問い合わせに対して有効回答数は1545件あり、その回答を元に統計データが作られた。販売されているレポート全書では取り上げられているが、今回公開されたデータ範囲内では主に「パソコン経由のネットショッピング」を対象としており、最近富に広まりつつある「携帯電話経由のネットショッピング」は概して対象外なことに注意する必要がある。

年間11.6回・合計10.6万円、経験者ほど大量に購入

過去一年間のパソコンでのネットショッピングの平均利用回数は11.6回、その平均合計金額は10万6174円となった。これを除すると1回あたりの平均利用金額は9133円ということになる。

面白いのはパソコン・ネットショッピングの初心者とベテランとの間では、利用回数・利用金額共に大きな差異が生じていること。

ネッショッピング歴と過去1年間の利用平均値
ネッショッピング歴と過去1年間の利用平均値

回答も利用平均額も、初心者よりベテランの方が多いことが分かる。きわめて概算だが、2年以内のネットショッピング初心者の約2倍の回数・金額を、5年以上のベテランは利用していることが把握できる。現在初心者の人すべてがベテランになるとは限らないが、「初心者」から「ベテラン」になる過程でさまざまな経験を積み、安心・安全な方法、場所を学びとったことから、より高額で回数も多く利用するようになったのだろう。

アマゾンで新規取り扱いの
「健康食品・サプリ」
「化粧品・美容用品」は
女性のネット通販利用が
とりわけ多いアイテム。
今後一段の伸びが予想される。

主な購入商品は「書籍・雑誌(55.3%)」「衣類・靴・バッグ・アクセサリー(49.8%)」「音楽CD・ビデオ・DVD(39.5%)」「ホテル・航空券・旅行(33.5%)」「健康食品・サプリ(33.4%)」「化粧品・美容用品(32.5%)」という結果か出ており、これまでの同様の他調査結果とほぼ同じ値が出ている。

興味深いのはネットショップ名を具体的に挙げてもらい、商品カテゴリーとマトリクスを組んで傾向を示したこと。公開情報ではほんの一部しか掲載されていないが、従来書籍やオーディオ、パソコンの通販サイトであったアマゾンジャパンが、化粧品や健康食品をも取り扱いだした影響が出ていることが例示されている。特に「健康食品・サプリ」「化粧品・美容用品」は女性陣に人気のある通販商品であり、これらの新規追加商品が、確実に支持を集めつつあることがうかがえる。

ネットオークション、パソコンはちゅうちょ・ケータイは参加傾向増加

通販とは少々色合いが異なるが、ネットオークションに関する調査結果も一部公開されている。それによるとパソコンでのオークション利用者は1年の間にさほど増えていない一方で、携帯電話利用者のそれは大幅に増加していることが分かる。

この1年間におけるネットオークションの利用状況・1年前との比較
この1年間におけるネットオークションの利用状況・1年前との比較

元々この1年間で携帯電話の利用者数・(定額制普及や高性能化による)インターネットへのアクセス率の増加・携帯向けサイトの増加と充実という複数の要因があるため、一概にこの調査結果だけで「携帯電話でのオークション利用”率”が増加している」とは言い切れない(利用”数”の増加なら間違いない)。

また、パソコンと携帯電話の間で「単に見てるだけ」から「実際に落札したり売りに出すなどの参加者」になる割合に違いも見られない。媒体の違いがオークションへの積極参加性に影響を及ぼしているということはなさそうだ。

とはいえ、携帯電話経由でのオークションのニーズが急増しているのは事実であるし、今後さらなる伸びも期待できる。どの項目でも1年間で2倍前後に伸びているという結果は驚くべきものだ。


「本がそろうアマゾン」から「何でもそろうアマゾン」に変貌を遂げつつあるアマゾン(ジャパン)だが、ネットショッピング界にも着実に浸透しつつあることが分かる。アメリカでは生鮮野菜の販売も一部で実験的に行なわれ、また同人誌もどきのシステム(自主出版用のサービス。その本をアマゾン上で販売できる)も提供される予定があるとのこと。もう何年かすれば、レストランの予約や旅行の手配、医者の紹介までしてくれるようになるのではないかと思えてくるほどだ。

また、携帯電話の部門でも興味深い結果が見えている。「携帯電話でのネットブラウジング、ネットオークションは急速に普及中」「ネットショッピングのベテランは回数も利用金額も大きい」この二つ、そして携帯電話でのインターネットへのアクセスがまだまだ歴史が浅いことを考えると「携帯電話でのネットショッピングやオークションは今後累乗的に増加する」ことが推定される。利用者の増加だけでなく、利用者のベテラン化による客単価・利用回数の増大が、比例的にではなく累乗的な伸びを後押しするわけだ。

この予想は【ゲームで4.3倍・書籍や化粧品は7倍以上!~モバイルの経済波及効果は2010年までの4年間で4倍・2.4兆円に】でも報じた、情報通信総合研究所の試算と奇しくも合致している。よほどの問題やハプニングが生じない限り、この推論は多少のぶれこそあれども正しい結果へつながっていくことだろう。

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