「利上げは10月」5割弱、民間のエコノミストが予想

2007年09月07日 06:30

株式イメージ内閣府の外郭団体である経済企画協会は9月6日、民間のエコノミストの経済予測を集計した9月の「ESPフォーキャスト調査」を発表し、概要を一般公開した。それによると、日銀の次の利上げ時期は「2007年10月」とする予測が32人中15人と5割弱を占めた。8月の利上げ見送りを受けて、利上げをするとしても10月以降になるという観測が多数のようである(【発表リリース、PDF】)

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今調査は8月27日から9月3日に行われ、回答者数は33人。母数がきわめて少ないが、対象が専門家のエコノミストたちであるため、それなりに参照価値のあるデータといえる。

具体的な利上げ観測時期の統計結果は次の通り。

日銀の利上げ予想
日銀の利上げ予想

今月9月に「利上げを行なう」と予測したアナリストはわずか3人。それ以外はすべて10月以降としている。10月以降今年中と回答したアナリストは26人と、全体の8割強を占め、大方の予想は「10月以降年内までに利上げがある」ということになる。やはりアメリカのサブプライムローン問題による市場混乱に拍車をかけるような事態は避けたい、ということなのだろう。ただしこのデータは逆に「過半数が10月までに金利引き上げを予想」と読むことも出来ることに注意する必要がある。

ちなみに消費者物価指数(CPI)は7月~9月期も下降を続け、前年同期比で-0.08%になると予想。10月~12月期にプラスに転じ(+0.09%)、その後少しずつ上昇をしていくと推測されている。

ただし、これらはあくまでも不特定多数の人たちの観測集計結果に過ぎない。一般人を対象とした調査と比べれば精度は高いが、例えば日銀関係などに直接聞いたものではないため、必ず「10月前後に金利引き上げが行なわれる」というわけではないので、注意が必要である。気まぐれで9月に行なわれるかもしれないし、来年以降まで延期されるかもしれない。もしかしたら金利引下げの可能性もありうる(もっとも確率の低い選択肢だが)。

日銀の政策金利が引き上げられれば民間の各種金利にも大きな影響を与えるだけでなく、それに連動する形で株式市場にも動きを生じさせることは間違いない。円キャリートレード(低金利の日本円で投資資金を調達、その資金を外貨に換えて高い収益が期待できるもの、例えば海外の預貯金に投資する手法)との関係もあり、日銀の利上げ動向には注意深い観測が必要になるだろう。

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