「たばこ増税」≒「喫煙率低下」、相関関係明らかに・米紙調査結果

2007年08月11日 12:00

たばこイメージ【USA Today】が8月9日に伝えるところによると、アメリカ議会内での議題の一つとして持ち上がっているたばこ税の増税について、「たばこ税の増税がたばこの消費量の急激な減少を引き起こしている」ことが同紙の分析によって明らかになった。増税の割合と喫煙率の低下率には相関関係があるとも説明されている。アメリカ上院ではすでに先週、医療費(特に子ども向け)の確保のためにたばこの増税法案を承認済み。この法案が成立して増税が実施されれば、さらに喫煙者が減少するとしている。

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同紙の報道によると、ノースカロライナ州ではたばこの税額を5セント(6円、一箱あたり・以下同)から35セント(42円)に二段階に分けて増税したところ、たばこの売り上げは18%減少した(たばこ栽培業者は増税に反対している)。また、コネチカット州では2002年に50セント(60円)から1.51ドル(181円)に増税したところ、一人当たりのたばこの消費量は37%減少している。

他にも

・ニュージャージー州……2002年に80セント(96円)から2.4ドル(288円)に増税。喫煙率は35%低下。
・カリフォルニア州……1999年に87セント(104円)へ増税。喫煙率は18%低下。
・サウスカロライナ州……1977年以来7セント(8.4円)のまま。2000年以来喫煙率は5%低下。


などのデータがあるという。健康問題などから喫煙率=たばこ消費量は少しずつ減っていることに違いはないが、たばこ税を増税した方がその喫煙率減少の割合が大きいことが分かる。

今回アメリカ議会が導入しようとしている「たばこ税は1箱あたり1ドル(120円)に(現行の39セントから61セント増税)」によって、アメリカでは喫煙率のダイナミックな減少が見られるかもしれないという観測がある。「かつて見たことのない低下率を目の当たりにするかもしれない」とは、喫煙と税金関係を研究しているイリノイ大学のFrank Chaloupka教授はいう。この教授は「1箱61セント(73円)の増税が行なわれると喫煙率が6%低下する」と算出していた。下院では45セントの増税で十分としていたが、ブッシュ大統領は「それでは健康維持プログラムの費用には足りない」とし、拒否権発動をちらつかせたとのこと。

アメリカでは1976年に一人が1年間で2095本ものたばこを吸っていた統計データがあるが、これは2006年には1293本にまで減っている。健康への関心の高まりや増税により小売価格の低下が大きな要因とのこと。

しかしその一方でたばこの増税について、たばこ全国協会の専務Thomas Briant氏は「たばこの消費量は減るだろう。しかし税率を上げても税収入は減るだろうし、たばこの盗難や闇たばこの流通が増加するに違いない」と述べている。

一方たばこの増税について、たばこ販売の協会関係者は、増税によりたばこの消費量が予測通り減ることに同意した上で、たばこの増税により税収入の減少や闇市場におけるたばこの流通、たばこに関する盗みが増加すると懸念している。他方たばこの反対派の団体関係者であるDanny McGoldrick氏は「利用者の半分を死に至らしめる商品の消費が低くなったことで、悲しむべきではない(Nobody should cry because of lower consumption of a product that kills half the people who use it.)」と皮肉混じりなコメントを伝えている。

今回発表されたデータはあくまでも相関関係であり、因果関係ではない。直接影響を与えている部分もあるだろうが、たばこ税増税だけが喫煙率の減少に寄与しているわけではない。税収増の点で考えて見ても、1本あたりの税金が増えても消費量が減れば、「税収」=「1本あたりの税金」×「消費量」で計算されるため、Thomas Briant氏の主張のようにかえって税収が減る可能性も考えられる(単年度だけではなく複数年度にわたる影響を考慮する必要がある)。

とはいえ、禁煙の方向に世論が流れつつあるのは否定できない。日本では特に「がん」問題が叫ばれていることもある。今後今回のアメリカのたばこ税増税をきっかけに、日本でもさらなるたばこ税への増税など、考察が声高に叫ばれることだろう。


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(最終更新:2013/08/20)

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