【更新】「クールビズでは子どもに格好つかないからダメ」西岡議運委員長が国会内でのクールビズ中止提案

2007年08月10日 06:30

時節イメージ[読売新聞]などが報じたところによると民主党の西岡武夫参議院議院運営委員長は8月9日の理事会で「(参議院では)次の国会から『クールビズ』の申し合わせを廃棄し、本会議場、委員会室での議案審議の際にはネクタイ着用を義務化したい」と提案した。10日の理事会であらためて協議することになったものの、与党だけでなく所属する野党民主党でも困惑が広まっている。

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元記事などによると参議院では一昨年から各党の「申し合わせ」により、6月から9月は冷房温度を上げる代わりに、ネクタイ着用は義務付けないことにしている。会議後の記者会見でネクタイ姿でない議員を報道で見かけることがあるが、これはこの申し合わせを受けての姿。もちろんこれは「チーム・マイナス6%」運動をはじめとする地球温暖化対策・二酸化炭素削減運動によるもの。身体を呈して実践するという、国民へのアピールや見本の意味合いがある。

またそれ以前でも参議院では本会議場で「上着着用」が義務付けられていただけでネクタイの着用は特に規定されていなかった。つまり西岡氏の提案は一昨年(クール・ビズ対応開始)以前よりも(地球にも)「厳しい」内容となる。

西岡氏は前回の参議院議員選挙の結果を受けて7日に参議院議院運営委員長に就任したが、就任直後のこの発言にお膝元の民主党でも「参議院の慣例にかかわる」と困惑。自民党は「国会内の冷房を弱くしている中でネクタイ着用を義務付けるのはどうか」、公明党も「(意見が)まとまるかどうか分からない」と難色を示しているという。

気になるのは各報道でこのネクタイ着用義務化の理由について西岡氏が「制服を着用して国会見学する子どもがいるのに、議員がリラックスした格好をしているのはいかがなものか」と説明していること。各議員がふざけた格好をしているわけでない以上、リラックス=見学者に失礼と直結させるのは、それこそ「いかがなものか」と思われるのだが、どうだろうか。「見た目、形振りで仕事への傾注度、まじめさを判断するのですか」と子どもに問われたら、どう回答すればよいのだろう。

それよりむしろ、議員たちが率先して「あのような姿で地球温暖化対策にあたっている」とアピールする良い機会であろう。その主旨を理解せず、単に「格好がつかないから中止」というのは軽率以外の何物でもない。

百歩譲ってネクタイ着用を義務化するのもよいだろう。格好で見学に来ている子どもたちにアピールした方がよいと「議院運営委員長」が考えるのなら、それも一つの結論である。しかし政府が率先している二酸化炭素削減対策にのっとり、「冷房設定は28度」を厳守することを合わせて、堅く実践することを義務付けるべきだ。その結果参議院での議事進行に影響が及んでも、それはこの方針を提案した「議院運営委員長」に責がある。

政府が旗振りして二酸化炭素削減を国民に訴えかける中、クール・ビズを否定してでも見た目に気をかけるあたり、ある意味「国民の目を非常に気にかけている」行為として、注目に値する発言といえるだろう。

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