今の子どもは指先が不器用? 「子どもは不器用」と考える大人は8割

2007年08月23日 08:00

あやとりイメージばんそうこうなどで著名なニチバンは7月20日、指先と器用さに関するアンケート結果を発表した。それによると「現代の子どもは指先が不器用だ」と思っている大人は8割を占めるということが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査は4月9日から5月20日までの間にネット上で行なわれたもので、回答者は2810人(20歳以上を対象)。男女比は男性800人、女性2010人。

調査結果によると、「現代の子どもは指先が不器用」だと思う大人は「どちらかというと不器用」「不器用」をあわせ80.3%となり、「8割の大人が現代の子どもは不器用だと考えている」という答えがでた。

現代の子どもは指先が器用?
現代の子どもは指先が器用?

日本人は海外の人と比べて指先が器用、というイメージがある。しかし現代の大人にとって今の子どもは大人が思っているほど器用ではないようだ。

ではなぜ(大人が想像するほど)「子どもは器用でなくなったのか」その理由について大人にたずねてみた(上記設問で「子どもは不器用」「どちらかというと不器用」と回答した人が対象)。

子どもが不器用な理由は?
子どもが不器用な理由は?

すべての年齢層で「包丁やナイフなど危険物から遠ざけられている」と、指先を使うことの多い道具を使う機会が少なくなったことを挙げているのが分かる。特に40代以上ではこの傾向が強い。一方で若年層では「綾取り(あやとり)や折り紙など指先を使う遊びが少なくなった」が、中堅層以上では「家事の手伝いをしなくなった」が多いのが分かる。特に20・30代では「包丁やナイフ」を超えて「綾取りや折り紙など指先を使う遊びが少なくなった」がトップについている。

それぞれの大人が育てている子どもの年齢が調査対象に無いので断定はできないが、恐らく若年層の大人には折り紙や綾取りで遊ぶ小さな子どもが、40代の中堅層以上では家事手伝いができる少々成長した子どもがいるのだろう。

また、「パソコンや携帯の普及で字を書く機会が減った」という回答は全体で5割近くに登っている一方、「テレビゲームのやりすぎ」は2割強に過ぎないことが分かる。このような調査が行われるとまず槍玉に挙げられるのがテレビゲームだが、実際のデータではさほど大人は問題視していないことがうかがえる。

逆に「子どもの指先は器用」「どちらかというと器用」と答えた人にその理由を尋ねたところ、「携帯、パソコン、ゲームなどの操作をしているのを見たとき」という回答が圧倒的多数を占めた(77.6%)。二位以降の「折り紙」「綾取り」を含む回答(3.9%)、三位の「箸」「裁縫」「料理」の3.7%と比べると桁違いに多い。


興味深いのは「パソコンや携帯の普及」に関する項目。「子どもが器用」だと思う大人はその理由を「パソコン、携帯、ゲームの操作を見て」と答えている一方、「子どもが不器用」だと思う大人のその理由の第四位にも「パソコンや携帯の普及(で字を書く機会が減った)」と答えている。

仮に携帯やパソコンを使いこなして指先が器用に見える子どもに、「大人」がかつて子どもだった時代の消費時間と同じくらいに包丁やナイフ、綾取りや折り紙など指先を使う機会を与えれば、同じように使いこなせるようになるだろう。そして大人は「子どもは器用だ」と自分の実体験や知識と同じセンスにおける「器用さ」を認識するに違いない。

昔と比べれば包丁やナイフを使う機会は減り、その分パソコンや携帯電話を使う機会は飛躍的に増えている。そのような現状を踏まえた上で考えると、子どもは単に不器用になったのではなく、器用になる(=使い慣れる)対象や方向性に変化が生じたと考えるのが適切だろう。

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