モバイルでの過剰広告は逆効果、「ウザい」と思った人の7割が購入をひかえる

2007年08月16日 08:00

モバイルイメージモバイルを中心に広告代理業務などを手がける【アップデイト】内のMMD研究所は8月9日、21ものモバイルサイトの協力のもとにモバイルコマース(モバイル端末を使った通販)に関して行なった動向調査の結果を発表した。それによると、モバイルコマースで「過剰な表現」「広告」と感じた商品の購入をひかえた人は7割にも登ることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今回の調査は7月27日から30日までの間に、4643人から有効回答を得て導き出したもの。男女比は37.2対62.8。年齢層は30代がもっとも多く28.6%、ついで10代の25.9%、20代の25.7%。携帯電話(モバイル)上で何らかのサービスを利用している人が回答者であることを念頭に置く必要がある。

今調査では「7月にネットショッピング(モバイルコマース)を活用したか」の問いに29.0%が「はい」と答えた、3割の女性がダイエット関連商品の購入経験ありなど興味深い回答が多く見受けられるが、ここでは「モバイル上の広告表現と購入動機」にしぼってみる。

モバイル上のサイト表現はパソコンと比べて表示面積が小さいだけに、配信側が目立たせたい文字がパソコンよりも目だつように感じられることがある。同じ「大安売り」のテキストでも14×8文字のモバイル上と80×60文字のパソコンでは、モバイルの方が目立つ度合(=邪魔さ加減)は大きくなる。

そのモバイル上のコマースサイトなどにおいて、「商品説明や広告表現が過剰だと感じたことはありますか?」という問いには「76.2%の人がある」と答えている。実に4人に3人はモバイル上でのサイト閲覧において、「商品説明や広告表現の度が過ぎる」と感じた経験があることになる。

巡回するサイトが多ければそのようなサイトに遭遇する機会はあるだろうし、パソコンともなればほぼ100%の人が過剰表現の広告や紹介を目にした経験があるはず。また、閲覧する人ひとりひとりの感性の違いもあるだろう。そう考えれば「4人に3人」は「まだマシ」なレベルなのかもしれない。

一方、そのような「表現が過ぎる」と感じた経験のある人に、そう感じた商品の購入を躊躇(ちゅうちょ)してしまったかどうかについてたずねたところ、「70.2%が購入をひかえた経験がある」と答えている。つまり全体で「半数以上(概算だと76.2%×70.2%=53.5%)が『過激な広告・表現と思った商品は買わない』と判断した経験がある」ことになる。

残りの半数弱は「そもそも過激な説明・表現と感じていない」「説明や表現に過ぎるものはあるが、それで購入をひかえたことはない」という意見であることから、「なんだ、現状維持くらいの目立たせ方なら、半数くらいは効果が出ているのか」と判断するかもしれない。商品展開ではそもそも論として「他の商品を差し置いてでも自分の商品を目立たせて、注目を集めねばならない(知られなければ買おうかどうか判断すらされない)」ため、ギリギリのラインで対象商品をアピールするため、度が過ぎるとも思える説明や表現をする場合もあるだろう。

しかし半数強は確実に「売れるかもしれない」顧客を逃したことになる。知られないよりはマシかもしれないが、知ってもらったのに表現に度が過ぎて買われなかった場合、逆にマイナスイメージをその商品、さらにはブランド自身にも持ってしまうかもしれない。

モバイル広告を出す場合には今回の調査から考えるに、

(プラス面)
「説明・表現の過剰さで得られる認知客」

(マイナス面)
「説明・表現の過剰さで失う『認知・購入検討していたのに買わなかった』客」
                 +
「説明・表現の過剰さでもたらされる商品やブランドのマイナスイメージ」


を天秤にかけて、ほどよい装飾や表現、説明を心がけるべきだろう。

……あらためて読み直せばごく当たり前のことなのだが、このように実地調査データを元に検証して裏づけを取った上で考察すると、確からしさが増してくるから不思議なものである。

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