衣料品は10%前後の下げ…2007年7月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-2.8%

2007年08月26日 12:00

【日本チェーンストア協会】は8月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2007年7月度における販売統計速報を発表した。それによると畜産物など一部の部門を除いたほぼすべての部門で前年同月比マイナスの結果が出ており、特に衣料品では10%前後の下げ方を記録、全体では2.8%のマイナスを記録した。他の小売業同様に台風の来襲や梅雨の遅れによる雨の日の多さが、売上高を下げる原因となったようだ(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の79社・8658店舗に対して行われている。店舗数は先月比で13店舗増、前年同月比で166店舗減と減少傾向にあるが、売り場面積は先月から相変わらず増加しており前年同月比102.3%と2.3%ほど増えている。「店舗の集約・大型化が促進されている」が引き続き進展しているのが分かる。

だが売り場1平方メートルあたりの売上高や従業員数は先月と変わらず「売り上げは落ち(95.5%)て従業員は増える(100.7%)」傾向にあり、採算性は悪化しているようである。あるいは従業員数は正社員+パートで表されているので、正社員数を減らしてその分パートを増やし、賃金総額を軽減する方向で経営改革が進められているのかもしれない。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆1803億8375万円
・食料品部門……構成比:60.3%(前年同月比99.1%、▲0.9%)
・衣料品部門……構成比:12.9%(前年同月比89.8%、▲10.2%)
・住関品部門……構成比:20.1%(前年同月比97.1%、▲2.9%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比96.7%、▲3.3%)
・その他…………構成比:6.3%(前年同月比96.1%、▲3.9%)


長雨と台風で
来客数減少による
売り上げダウン?
水産物は
中国リスクも起因。

7月は例年と比べて梅雨の到来が多く長雨だったこと(平年比で降雨量が99.7%~189.7%、平均気温が-0.5~-1.3度)など、気候の悪化がスーパーやデパートへの来客をちゅうちょさせ、結果として売上高も落ち込んだものと思われる。また夏服など衣料品や家電商品(エアコンなど)における季節商材の売り上げの頭を抑えたようだ。

比較的堅調に見える食料品部門でも水産品の調子が悪いように見えるが(前年同月比95.5%)、これは例の中国産うなぎの問題が大きく影響している。

8月は一転して猛暑となったため、7月に落ち込んだ衣料品部門などの飛躍が期待できる。一方で水産品や一部農産品における「中国リスク」問題がどれだけ食料品部門に影を落とすのか、気になるところではある。

(最終更新:2013/08/19)

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