今の仕事には6割が満足、でもやる気が起きない会社だと愛社精神も低い

2007年08月21日 08:00

NTTデータ研究所が8月20日に発表した、gooリサーチの協力を得て行なった「働き手が組織に何を求めているか、どの程度満足感があるのか」に関する調査結果によると、働き手の約6割が現在の仕事に満足しており、中高年層になるほどその度合は高まっていることが明らかになった。また、仕事に対するモチベーション(やる気)が高い会社に勤める働き手ほど会社への忠誠心も高くなるという、当たり前ではあるが具体的に数字化されると「なるほど」と納得の出来る結果も出ている(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

今調査は7月13日から18日、ネット経由で行われたもので、有効回答者数は1013人。男女比は77.4対22.6。年齢層別では30代がもっとも多く36.6%、ついで40代が35.6%。役職は正社員が62.7%、管理職が20.7%、役員が12.8%など。

「現在の仕事に満足」は6割

現在従事している仕事にどの程度満足しているかという問いには「大いに満足している」は8.1%しかいなかったが、「どちらかといえば満足」は52.0%と過半数を占め、この二つをあわせると6割が「仕事に満足」しているという結果となった。

仕事の満足度合
仕事の満足度合

調査結果を見ると、次のような傾向があるのが分かる。

・年齢を経るにつれて満足度は高まる
・役職が高まるほど満足度は高まる
・モチベーションが高いほど満足度は高まる
・評価が高いほど満足度は高まる


モチベーションと
自分への評価が高いと
会社への忠誠心も高くなる

例えば「モチベーション」(やる気)の項目では、モチベーションが高いほど仕事への満足度も高いのが分かる。これが「モチベーションが高いから仕事に満足している」のか、「仕事に満足しているからモチベーションが高いのか」、相関関係としてはどちらが正しいのかはこの結果からだけでは読み解くことはできない。

しかし年齢や役職はともかく、「モチベーション」と「評価」の2つの項目はすべての働き手に対してアプローチできるもの。そして両項目が低い時の満足度の低下は著しいものがある。「仕事の満足度」と「モチベーション」「評価」は互いに深い関係がありそうだ。言い換えれば「自分を認めてくれてやる気も起きるような仕事なら、満足度も高くなる」という、言われてみればごく当たり前のことなのだろう。

やる気が無いと愛社精神はほとんど無くなる

現在勤めている会社に愛社精神や忠誠心を持っているかどうかをたずねたところ、「強く持っている」「ある程度は持っている」をあわせた54.5%が「持っている」と答えている。一方、「あまり持っていない」「ほとんど持っていない」をあわせた「持っていない」層は27.8%に留まった。

愛社精神や忠誠心を会社に持っているか
愛社精神や忠誠心を会社に持っているか

項目別でみると、役員が「強く持っている」が最も多いのは当然として、こちらも満足度と同様に年齢を経るにつれて「持っている」層が増えているのがわかる。

またそれ以上に「モチベーション」「評価」の違いと愛社精神の度合が強い相関関係にあるのが見て取れる。例えばモチベーションが高い働き手の場合は「強く持っている」層は24.4%も及ぶが、低い層は1.6%に過ぎない。やる気が出ない、評価してもらえない会社に対しては忠誠心・愛社精神も低くなるということだろう。


連合艦隊司令長官山本五十六の語録に「やってみせて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず」という言葉がある。何もないところを無理して評価しても逆効果だが、それぞれにある長所を見つけ出して一層伸びるように指導したりほめて評価することで、「評価してもらっている」と働き手側も判断し、やる気も高まる。自分の存在価値を認めてもらうことにより、モチベーションの向上と評価の実感が得られ、愛社精神を育て、仕事そのものへの満足度も高まっていく。

「モチベーション」「評価」と、「愛社精神」「仕事への満足度」。この両グループにはお互いに深い関係があるのだろう。そしてこれらか相互波及的に高まれば、仕事そのものの効率も上がるし同じマンパワーでも企業業績の向上も期待できる。

契約取得件数や企画書の制作数、労働時間などはっきりと数字として分かる成果と違い、「モチベーション」「(他人からの)評価」「愛社精神」「仕事への満足度」は数字化しにくく、他人からはもちろん自分自身でも判断しにくい。しかしそれぞれが互いに関係し、人生の多くの時間を過ごすことになる仕事の上でプラスとなり、より楽しい時間を過ごせるヒントにもなる(満足していない仕事に長時間従事していて、それを「楽しい時間」と思う人などあまりいない)。

働き手自分自身が、そして働き手を雇う雇用側・企業が共に考え、「よりよい労働環境」を創るよう手を打つことで、皆がプラスとなる状況を作り出していけるに違いない。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ