東京市場での外国人投資家の売超、5週間連続・ただしペースダウン

2007年08月30日 19:30

株式イメージ東京証券取引所は8月30日、8月20日から24日(8月第4週、先週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は6兆0556億5146万9000円なのに対し、買い総額は6兆0119億2172万0000円となり、差し引き437億2974万9000円の売り超しとなった。この売り超しで外国人投資家の売り超しは5週連続となったものの、一週間分の売り超し額は先週と比べて大幅に減少しており、「外国人売り攻勢」の峠はひとまず越したものと思われる。一方で個人・証券会社は売り超しに転じるなど、外国人の売り攻勢による急落に引きずられているようすもうかがえる(【最新発表リリース、PDF】)。

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8月20日から24日における各部門別の売買動向は次の通り。

・法人……9249億4222万9000円/1兆1799億6856万2000円(2550億2633万3000円買超)
・個人……1兆8979億8161万9000円/1兆8890億9441万7000円(88億8720万2000円売超)
・外国人……6兆0556億5146万9000円/6兆0119億2172万0000円(437億2974万9000円売超)
・証券会社……1232億1310万3000円/1221億6909万0000円(10億4401万3000円売超)

(それぞれ売り/買い(差し引き))


また、この6週間における外国人投資家の動向は次の通り。

7月17日~7月20日…3702億0027万5000円買超
7月23日~7月27日…3000億5608万7000円売超
7月30日~8月3日…1961億9964万8000円売超
8月6日~10日……2015億7870万9000円売超
8月13日~17日……7520億6280万4000円売超
8月20日~24日……437億2974万9000円売超


先週発表分では「魔の8月大急落」の原因となった大規模な売り超しが見受けられた。これに代表されるように7月下旬から売り超しが続いているのは、アメリカの低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きで損失を抱えた海外のヘッジファンドが投資家からの解約に備えて、仕方なく手持ちの株式を売却している可能性が高い。ただ、先週と比べると売り超しの額は激減しており、このままのペースで行けば次週発表分で買い超しに転じる可能性もある。そのあたりが相場の転換点となるのだろうか。

一方8月13日から始まる週の相場急落に引きずられる形で、個人と証券会社が売り超しに転じ、唯一買い超しとなった法人もその額を大きく減らしているのは興味深い。急落に乗じて「拾い」集めたものの、含み損や不安に耐え切れなくなり売りに転じたのだろうか。

8月27日から始まる週は出来高が激減しており、ちょっとした売買で値が大きくぶれるという波乱万丈の相場展開が繰り広げられている。取引が減っているということは、今回データ発表週で損失を受けた個人や証券会社が身動きの取れない状態になっているのだろうか。今後が少々不安ではある。

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