急速な円高進む・一時1ドル112円台にまで上昇

2007年08月17日 08:00

8月16日のニューヨーク外国為替市場は、株式市場において株価の急落が進んだため、リスク回避のためにドルを売って円を買い戻す動きが強まり、円高が急速に進行。円相場は一時1ドル112円台に突入するなどし乱高下が続いている。最新データによれば現在円相場は114円台前半で推移している。

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8月16日のニューヨーク株式市場では低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題が、住宅市場だけでなくアメリカの経済全体に悪影響を及ぼしているとの見方が広がり、平均株価は一時300ドルを超える値下がりを記録。終値では大きく値を戻して前日終値とほぼ変わらない値にまで復帰しているが(15.69ドル安い1万2845ドル78セント)、市場が混乱している状況に変わりはない。これを受けてニューヨーク外国為替市場では、リスク回避のためにドルを売却して円を買い戻す動きが強まっている。

さらに現在世界レベルで見ても金利の低い円を売り、金利の高いドルをはじめとした他の通貨を購入して運用し、運用差益を手に入れる「円キャリー(取引)」を取りやめて円を買い戻す動きが急速に加速。これも円高を推し進める一因となった。

このため円相場は一時112円台に突入しており、これは昨年の6月以来1年以上ぶりの水準にまで円高が進んだことになる。特にここ3日間の値動きは激しく、約3日で為替相場は6円程度動いたことに。

8月1日以降の円ドル相場推移(DailyFXより)
8月1日以降の円ドル相場推移(DailyFXより)

直前に「海外のヘッジファンドが現金確保のために日本株を換金売りしているらしい」という記事を掲載したが、一般的に円高は海外ファンドにとって日本株の売り要因(同じ持ち株数でも「海外において」価値比率が高まる=ポートフォリオにおける他国株式や他金融商品とのバランスを調整するために売る)となるため、さらに株安を推し進めかねない状況になっていることは確かだろう。

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