トヨタが家庭で充電可能・公道でも走れるプラグインハイブリッド車を開発、認定

2007年07月26日 08:00

トヨタプラグインHVイメージ[トヨタ自動車(7203)]は7月25日、家庭用の電源で充電が可能なプラグイン・ハイブリッド「トヨタプラグインHV」を開発し、国土交通省から大臣認定を取得したと発表した。プラグインハイブリッド車の公道走行を可能とする、はじめての大臣認定としている(【発表リリース】)。

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トヨタプラグインHVイメージ「環境への負荷を軽減する」タイプの自動車の一種として注目を集めている、従来のガソリンエンジンによる走行と電気によるモーター走行の両方を可能とするのが「ハイブリッド車」の特徴だが、これまでのハイブリッド車ではモーター走行を行うための電池の充電を車内の発電機やモーターで行っていた。それを今回発表した「プラグイン・ハイブリッド車」では充電池の搭載容量を増やし、電気によるモーター走行の距離を拡大すると共に、家庭用の電源からも充電可能な機能を備えている。

直接ガソリンエンジンの稼動で充電するのではなく、直接充電した電気を用いること、そしてその充電による走行時間が充電池の容量拡大で延びることにより、燃費の向上や二酸化炭素排出量の削減、さらには料金が安い深夜電力における充電をすることで、総合的な燃料費が安くなるなどの経済的効果も狙えるという。

トヨタでは「トヨタプラグインHV」について日本国内の公道走行試験を8台の車両で実施し、電気稼動による航続距離や電池容量の最適化検証、さらには排気ガスなどの各種データを取得し、量産・普及に向けて活動していくとのこと。さらにアメリカやヨーロッパでも同様の実験を行う予定。

現在の「トヨタプラグインHV」のスペックでは、1時間の家庭用電源(200ボルト)の充電で13キロメートル・最大時速100キロで走行可能とのこと。ちなみに100ボルトの場合は3~4時間の充電が必要になる。ベースはトヨタのHV版「プリウス」。一部報道によれば、1日に25キロ走行したとして、夜間充電をすれば通常のプリウスと比較して燃料代を40%前後減らせ、二酸化炭素排出量の削減も可能とのこと。

電気自動車やハイブリッド車には電気走行時の音があまりにも静かなため、周囲に気づかれにくいという問題(弱点)など指摘されているが、そういった課題はじきにアイディア次第で解決されるだろう。むしろ長期間走行可能な大容量充電池の開発などが急務とされている。通常のガソリンエンジン車のように、一度の燃料補充(充電)で長距離を走行できるようになるにはまだまだ技術の進歩や発想の転換が必要になるだろう。また、価格を下げることも普及には欠かせない(そのためには量産されねばならないが)。

今後「トヨタプラグインHV」の試験運転が続けられれば、プラグインタイプも含めたハイブリッド車への注目が集まり、メリットがアピールされることだろう。技術的に電気自動車への完全移行が難しい現在では、環境のことを考えるとハイブリッド車にも期待したいところだ。

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