情報流出防止セミナーの案内で経営情報流出

2007年07月12日 08:00

東京商工会議所は7月10日、荒川支部において会員に対してセミナーの案内を同報FAXで送った際に、参加会員企業1社の融資に関する資料を一緒に送信してしまい、経営情報を流出してしまったことを明らかにした(発表リリース)。奇しくも情報流出防止セミナーの案内を送る際に、その情報流出をしでかしてしまったことになる。東京商工会議所では謝罪すると共に、対策を講じて再発防止に全力を挙げて取り組むとしている。

スポンサードリンク

ことの詳細は【朝日新聞】に掲載されているがそれによると、東京商工会議所の荒川支部において「情報流出防止セミナー~事例にみる情報セキュリティー最前線」の案内1枚を7月3日にFAXで会員企業548社に一斉送信している最中に事件はおきた。送信中にも関わらず別の職員がある洋菓子店の資料1枚をコピーしようとし、操作を誤り、FAX送信してしまったという。

誤送した資料は国民生活金融公庫からの低利融資に必要な書類。洋菓子店の利益や家族収入、預貯金残高、借り入れ余力などが記載されていた。会議所側ではこの洋菓子店に謝罪すると共に、送信先に該当する資料の破棄を要請した。

セミナーの副題通り「事例」そのものを実例素材としてやらかしてしまった東京商工会議所側では「これまでの対応に加え、原稿確認作業を行わないと送信ができない仕組みの導入などの対策を講じ、再発防止に全力を挙げて取り組みます」と今後体制の強化を行うことをのべている。

身を呈して現実の事例を示した東京商工会議所の姿勢には、色々な意味で「あいた口がふさがらない」というか「笑うに笑えない」としか表現のしようがない。まるで避難訓練の最中に本当に火事が起きてしまったようなものである。

ただ、今回情報漏えいが、方法としては「非常にローテクなやり方」で起きてしまったことは注目に値する。どんなに高度な技術を用いても、情報は「案外シンプルで誰にでも起こしやすい方法」で起こしうるということを証明してしまったからだ。東京商工会議所自身はもちろんだが、他の類似団体もこれを他山の石とし、注意をうながしてほしいものである。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ