アメリカに「SAFE China Free(中国産原材料ナシだから安全)」商品の展開広まる

2007年07月16日 12:00

アメリカと中国イメージ【NewYorkTimes】などアメリカの各報道やNHKが伝えるところによると、相次ぐ中国産食品などへのリコール・自主回収問題を受けて、アメリカでは消費者の間に不安が広まっている。中には「中国から輸入された原材料は一切含まれておらず、安全である(SAFE~CHINA FREE、チャイナフリー)」と銘打ったシールを貼った健康食品が販売され、人気を博しているという

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今年に入ってから相次いでアメリカ経由で報じられ、日本国内でも最近鰻(うなぎ)関係で話題になった中国製品の汚染問題についてだが、例えば「中国から輸入されたペットフードを食べた犬や猫が相次いで亡くなった」「中国から輸入された歯磨き粉から有害物質が検出された」「養殖うなぎなどの魚介類からはアメリカで使用が禁止されている抗菌剤が見つかった」など、リコールや輸入禁止措置が相次いでいる。これらの事態を受け、今月行われた世論調査ではアメリカの消費者の46%が中国産の食品や原料について「大変不安だ」と答えているとNHKでは報じている。

これらの動きに対し中国側では規制を強化すると発表すると共に「自分の国は発展途上国だからこのようなトラブルは仕方が無い(常任理事国で宇宙ロケット打ち上げたり大量の核を保有し、他国に多額の軍事援助を行い、空母を作る国のどこが発展途上国なのかというツッコミはさておき)」と弁明する一方、先週末にはアメリカ産の豚肉と鶏肉に対し「細菌の問題があるので輸入を禁止する」(【NewYorkTimes】)措置を講じている。この措置についてもアメリカ側の規制に対する対抗手段であるという見方が強いと伝えられている。

9 a Day-Plus capsulesイメージ中国産原材料を一切使用しないので安全、つまり「SAFE CHINA FREE(セーフ・チャイナフリー)」のうたい文句を挙げたのは、アメリカ・ユタ州の健康食品メーカー【Food for Health International】社。ここが製造しているビタミン剤「9 a Day-Plus capsules」などについて、原材料をすべてアメリカ産の果物などを使用したものとし、「SAFE CHINA FREE」のシールを貼り付けて販売している。価格は通常のものより2~3割ほど高めだが、中国産への不安が高まっているという現状を受け、人気は上々とのこと。この会社の社長は

「チャイナ・フリー」は汚染された中国製品が流入しているという連日の報道への解決策だ。


とインタビューに答えていた。また、消費者の意見でも「安全管理が不十分で危険の恐れがあるのでドックフードも食品も中国産は買いたくはない」「中国製品は極力買わないようにしている。例えば靴とか。実際には難しいですが」などというように、昨今の問題と不安を受けて、さらなる「チャイナ・フリー」を求める動きが広まっているという。例えば【Chicago Tribune】では

中国にとってはゆかいな話ではないが、消費者には商品について知る権利がある。特に昨今の健康上の問題に関する中国商品の状況を考えると、これは当然の権利といえよう。
(This isn’t going to make the Chinese very happy, but consumers have a right to know where products are coming from, especially given the string of recent health scares related to Chinese products.)


と論じている。恐らくはアメリカ人の多くにとって、これが代表されるべき意見なのだろう。

さて。

日本では鰻や歯磨き粉はアメリカ同様に問題になっているし、最近ではしょうがの件や[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]などで報じられているように「段ボール入り肉まん」ならぬ「肉まんの要素入り段ボール」の話が伝えられるなど、情報はそれなりに入っているように見える。しかし食品の輸入量ではアメリカにも劣らないどころか日本の方が多いだろうにも関わらず、話は非常に静かなように見える。

Chicago Tribuneが主張していた(アメリカ人消費者にとって)当然の権利は、日本人の消費者にも当然の権利だと思うのだが、その権利は守られているのだろうか。さりげなく伝えられる端々の情報を注意深く見守り、関心を深める必要があることは間違いない。

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