「みんな大好きサンプル品♪」試供品をもらう人は84.7%

2007年07月30日 06:30

試供品イメージ【マイボイスコム】が先日発表した調査結果によると、試供品(お試し品、サンプル)を何らかの形で能動的にもらったことがある人は84.7%に登ることが明らかになった。そのうち過半数は「興味があればもらう」と答えており、自分の興味関心を引くものであれば、多数の人が試供品を手に取る状況が見て取れる(【発表リリース】)。

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今回の調査における調査方法はインターネット経由によるもので調査期間は7月1日から5日までの間。回答者数は12654人で、男女比は46対54。年齢層別では30代がもっとも多く39%、次いで40代が27%、20代が18%となっている。

試供品をもらう人は8割強、食品や化粧品・飲料が多い

日頃試供品をもらうかどうかという、試供品への態度を問い合わせたところ、能動的に「もらう」と答えた人は全体の84.7%と8割強を示す結果となった。

あなたは日頃、試供品をもらうか。
あなたは日頃、試供品をもらうか。

情報収集までして積極的にもらう人が1割強もいるのは驚きだが、その一方で「興味があればもらう」と答えた人が過半数に登るのも関心を引くところ。「興味があれば」という前提がある以上、興味がなければ手にとることはない。不特定多数の人に手にとってもらうことが存在価値そのものである試供品にとって、これは無視できないポイントだろう。

では具体的にどのような試供品に人気が集まっている、あるいはよく手に取られるのだろうか。

どのタイプの試供品をよくもらったことがあるか。
どのタイプの試供品をよくもらったことがあるか。

食料品や飲料など、新製品やシリーズ内新タイプが出る際に知名度を高める目的でよく見かける試供品が上位に来ている。また、健康食品、化粧品・美容製品やヘアケア用品などは商品単価も高く利ざやも高いものが多いため、多少経費がかかろうとも試供品をたくさん配って知名度を高め、早急に競合相手とのシェア争いに勝ち抜ければ、それだけのメリットはある。かくしてドラッグストアなどには大量の新製品のサンプルが置かれることになる。見ているだけでも楽しいが、じっくり考え直してみると何となく「手のひらの上で踊らされている」ようで複雑な気分になる。

試供品の効果があるのは化粧品などが一番

それでは実際に試供品を受け取って利用し、その結果「これはイイネ!」と実感してその商品を実際に購入した人、そしてさらに継続して購入するようになった人はどれくらいいるのだろうか。これは試供品を配る・商品を作る側からすれば非常に気になる話である。

もらった試供品がきっかけでその商品を買ったことがあるか。
もらった試供品がきっかけでその商品を買ったことがあるか。
もらった試供品がきっかけで商品を買い、さらに継続購入するようになったものがあるか。
もらった試供品がきっかけで商品を買い、さらに継続購入するようになったものがあるか。

試供品がきっかけで「一度」実商品を買った人は「化粧品、美容製品」「食料品」「飲料」の順であるのに、継続購入は「化粧品、美容製品」「食料品」「ヘアケア用品」と順番が異なること、両質問への回答で「化粧品、美容製品」の割合が同程度なのに、「食料品」では継続購入の段階になると割合がかなり落ち込む結果が出ているのが興味深い。

化粧品や美容製品の場合、試供品も実際に一回使用分の分量も大した差はない。利用時の実感は試供品の段階でほぼ理解できている(シャンプーの使い心地を調べるのに、一回分ではなくビン一本分そのまま使い切る人はいないだろう)。ところが食料品や飲料の場合、試供品はあくまでも商品の一部の分量に過ぎないから、「味」そのものはわかっても商品パッケージ分の量を食べた時の総合的な味わいや納得感(つまり「使用一回分」の総合判断)は、やはり商品を手に取り、口にしないと分からない。

例えばレトルトカレーの試供品を食べたとする。試供品はひと口ふた口分くらいしかなく、そのボリュームでは「美味しいナ」と感じるかもしれない。しかし商品パッケージを買って実際に温めて食べてみると、量半ばでくどさを感じ、「ひと口とかならいいけど、このパッケージ全体だとどうかな……」と別の評価をする可能性もある。

その差がそのまま「試供品→一度目の商品購入」と「試供品→一度目の商品購入→継続購入」の違いに現れたのだと思われる。


最近では【サンプルラボ】のように、有料会員制の「試供品の宝物庫」的な場所(1日5つまで自由に店内の試供品をタダでもらえる)も登場している。試供品提供元は積極的に「欲しい」と思っている人に試供品を手渡せ、さらに返却率が極めて高い(そして質も高い)アンケートデータを得られるので、会場運営会社に試供品以外に提供費を出しても十分メリットがある。

上記データで問題として持ち上がった「食品関連の試供品の場合、商品と同じボリュームの試供品でないと、正確な消費者のデータを得にくい」という問題も、このような場所での提供や、特定少数者に対してモニターとして商品そのものを配ることで解決できることだろう。

試供品の提供は消費者の反応を知るばかりでなく、その商品が本当に良いものなら口コミ効果を狙うこともできる。ブログが世間一般に浸透している昨今では、その効果は(流れに乗れば)絶大なものとなる。「サンプルラボ」では実際にその場所に足を運ばねばならないデメリット(実物に触れるのでメリットでもあるのだが)があるが、見聞きした限りでは非常に好評なようだ。今後状況次第ではこのような場所が日本各地に出来たり、大型トラックなどを用いた移動式のサンプルステーションのようなものも作られる可能性があるだろう。

企業側はもちろんだが消費者側も、試供品を上手に使いこなしていきたいものである。

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