野菜の相場が安値で安定…2007年6月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-1.5%

2007年07月24日 08:00

【日本チェーンストア協会】は7月23日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2007年6月度における販売統計速報を発表した。それによるとほぼすべての部門で前年同月比マイナスの結果が出ており、特に家電商品では10%近い下げ方を記録、全体では1.5%のマイナスを記録した。部門別では特に住関係商品の実績が低調で、前年同月比2.9%のマイナスとなった。小売部門全体の低調さを示す指針がまた一つ表されることになったといえる(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の79社・8645店舗に対して行われている。店舗数は先月比で174店舗減、前年同月比で186店舗減と減少傾向にあるが、売り場面積は同月比102.1%と2.1%ほど増えており、「店舗の集約・大型化が促進されている」のが分かる。

店舗規模の拡大と集約化は
進められているが
売り上げの点で効率は落ちている

しかしその一方、売り場1平方メートルあたりの売上高は49138円と前年同月比96.6%になりマイナス3.4%、従業員数は同じく100.1%とプラス0.1%となり、規模の拡大・集約化で効率性を高めようと努力しているが、採算性は悪化しているようすがうかがえる。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆1384億7327万円
・食料品部門……構成比:60.1%(前年同月比98.9%、▲1.1%)
・衣料品部門……構成比:13.6%(前年同月比98.2%、▲1.8%)
・住関品部門……構成比:19.8%(前年同月比97.1%、▲2.9%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比98.4%、▲1.6%)
・その他…………構成比:6.1%(前年同月比100.0%、±0.0%)


6月は消費に直接関係する事象としては例のミートホープ事件に始まる食肉への不安が高まる問題が挙げられるが、ハム・ソーセージ部門は堅調に推移しており、今件が売り上げの低下に影響を及ぼしてはいないと思われる。むしろ食品では野菜の相場が安値で安定していたため、売り上げを押し上げる要因にはならなかった。また、住関係ではエアコンや扇風機など家電商品を中心に低調に推移したため、大きく落ち込んだことになる。

今調査では販売個数が算出されていない。また来客数も不明なため、売り上げの低下が「来客数の減少による販売数そのものの低下」「単に顧客あたりの販売数の低下のみ」「来客数、顧客の購入品目数に変化はないが、商品単価が落ちたため」のいずれによるものなのか、あるいは複数の結果によるものなのか、その理由は不明である。

しかし先日発表した【コンビニの売り上げ速報】では顧客単価の下落が売上高を大きく引き下げる要因になっていることからすると、チェーンストアにおいても顧客単価が減少していることが容易に想像できる。

チェーンストア側では従業員を増やしてサポート体制を整え、売り場面積を増やして商品を充実するなど、お客へのサービスを拡充することで売り上げアップを狙っているようだ。しかし少なくとも今現在においてはその成果は出ているとはいいがたい。天候など予想不可能な影響による売り上げの上限もあるし、何より消費者側の「サイフの都合」もあるだろう。しかしそれを差し引いてもいかに売り上げを増やし利益を拡大していくのかが、今後求められるテーマとなるに違いない。


(最終更新:2013/08/20)

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