楽天とTBSの攻防戦、法廷闘争に発展・楽天がTBSに株式帳簿の閲覧などへの仮処分申請

2007年06月07日 23:55

[楽天(4755)]が事業・資本提携を締結することや持ち分法適用を目的に【TBS(9401)】の株式を20%超まで買い増ししようとしている件について、楽天は6月6日、TBSが保有する株式の詳細を記載した会計帳簿の閲覧や謄写(コピー)にTBSが応じるように求める仮処分を東京地方裁判所に申請したと発表した(『発表リリース』)。楽天とTBS間の駆け引きはついに法廷闘争にまで発展することになった。

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楽天側リリースによると「TBSは6割に達する安定株主を保有していると主張しているが、これは同社の取締役会が900億円を超える巨額を投じて実行した安定株主対策によって作り出されたものであり、TBSの役員たちの自己保身を目的とした違法行為ではないか」と判断。そこで2003年度以降の5事業年度におけるTBSの保有株式の詳細を記載した帳簿を確認し、取引企業などとの株式の持ち合い状況や、その際に投じられた会社財産の規模などを確認し、楽天側の懸念を確かめる必要があると説明している。

しかしこの懸念を元に5月22日と30日の二度にわたってTBS側に有価証券台帳をはじめとした帳簿の閲覧や謄写を求めたところ、「TBSの提携先のビジネスが楽天と競争関係にあるから」との理由で閲覧を拒否され、今回裁判所を通じた仮処分を求めることになったという。

会社法や商法など関連法では株主の権利として関連帳簿の閲覧や謄写を請求できるが、会社側では一定の要件があればこれを拒否することもできる。その一定要件は法文に定められているが、それに該当するかどうかは請求した側・された側それぞれによって判断が異なってくる。請求した側は閲覧したいのだから「該当しない」と判断するし、請求された側が閲覧されたくないと思えば「該当する」と判断するからだ。そこで楽天は今回、第三者であり法的強制力のある裁判所にその判断をゆだねたことになる。

TBSでは今件について今のところ正式な反応を示していない。書面が届き次第、何らかの対応をとるものと思われる。

6月末に開催予定のTBS側の株主総会に向けて、両社の駆け引きがますます激しくなってきた感は否めない。楽天の株価がじわじわと値を下げているところをみると、市場では楽天がやや不利か、と判断しているようだが、これから一か月ほどの間、さらなる激しい動きが見られることだろう。


(最終更新:2013/09/02)

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