ジャスダックそのものに業務改善命令・内部管理体制に不備あり

2007年06月27日 06:30

証券取引等監視委員会は6月26日、新興企業などがメインの【ジャスダック証券取引所】自身に対し、業務改善命令を行うよう金融庁に6月19日に勧告していたことを発表、同時に金融庁はこの勧告に基づきジャスダックに対し実際に改善策の実施と定期報告を求める業務改善命令を行った(【金融庁側発表リリース】)。

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リリースによるとジャスダック証券取引所では、何か事故が起きた際の備えが万全でなく、このまま事態を放置しておけば「万一の際に投資家の利益が損なわれる可能性がある」と証券取引等監視委員会側が判断。実際に事が起きたわけではないが、事前警告の形での行政処分への運びとなった。

具体的には「システムレベルにおける問題発生時に適切な対処が出来るような体制を整え、その改善策の実施について7月31日までに報告」「当面は四半期ごとに実施状況を報告」というもので、ジャスダックが半ば今件に関する監視状態に置かれたことになる。

今件についてジャスダック側でも【声明を発表しており(PDF)】、それによれば「金融庁などの指摘は至極当然」であるとし、同時にシステムリスク管理体制の充実と強化に努めているが、今後は万全を期したいと述べている。同時に「システムを含め、正常かつ適正に機能しており、取引には支障はありません」とし、通常の取引においては何ら問題はないとも伝えている。

取引所そのものが業務改善命令を受けた例としては、過去に2005年12月に東京証券取引所が、2006年9月に札幌証券取引所や福岡証券取引所の例がある。また、通常証券取引等監視委員会経由での行政処分は「証取委の金融庁への勧告が行われた日に発表」され、後日「金融庁の行政処分の実施の日にあらためて金融庁側からその旨が伝えられる」ものだが、今件は証取委の勧告の段階では公式発表は無く、金融庁が実際に行政処分を行ってから証取委側でも発表するという異例の事態となった。このことから行政サイド側も市場に与えうるインパクトを鑑み、慎重に事を進めていたようすがうかがえる。

ともあれ、何か実際に事が起きてから投資家たちが頭を抱えるのでは遅すぎる。今のうちから色々と手を打ち、ジャスダック側にも備えておいて欲しいことはいうまでもない。そのような真摯な態度が、ジャスダック証券取引所自身はもちろん、新興市場全体への信頼回復の一歩につながるのだから。

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