料理に対するせっかち感は大阪人が上、その理由は……!?

2007年06月11日 06:30

時間イメージ【セイコー(8050)】が毎年6月10日の「時の記念日」に実施しているアンケートで、大阪人と東京人の時間感覚の違いについて調査したところ、特に食事関係において世間一般によく言われている「大阪人は時間に厳しい(せっかち)」であるという結果が出た(関連ページ)

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「時の記念日」とは671年6月10日(太陽暦で)に天智天皇が水時計で時をはかったという言い伝えを元に、1920年に生活改善同盟会が「時間を尊重する意識を持ってもらおう」という意図の元に制定された記念日。この記念日にセイコーでは毎年、「時の記念日アンケート」を実施している(【一覧ページ】)。

今調査結果は5月9日から10日、ネット上で生まれも育てもしゃきしゃきの大阪人・東京人の男女638人から回答を得て集計されたデータに基づくもの。大きく6つの項目について質問されている。

はじめてのグルメレストラン、東京人は気長に待てる傾向

「一度は行って見たいと思っていたレストランにはじめて行った際、食事を注文してから料理が運ばれてくるまで、気持ちよく待てる時間は」という問いには次のような結果が出た。

「一度は行って見たいと思っていたレストランにはじめて行った際、食事を注文してから料理が運ばれてくるまで、気持ちよく待てる時間は」
「一度は行って見たいと思っていたレストランにはじめて行った際、食事を注文してから料理が運ばれてくるまで、気持ちよく待てる時間は」

ぱっと見でも東京人の方が大阪人より気長に待てることが分かる。集計データを元に考察してみると、「30分なら気持ちよく待てる」(30分以内+それ以上)は東京:12.6%に対して大阪:3.7%と大きな開きがある。「15分ならOK」(15分以内+20分以内+25分以内……)の場合は東京:73.0%に対し大阪:60.6%と10%以上の開きがある。

レポートではこの結果を「東京人はおいしいものを食べるなら待ち時間も楽しみのうち」「大阪人は早く料理が出てくることもおいしさの一要素」と推測している。

ファストフードでは意外な結果が……

それでは注文してから商品が出てくるまでの早さが自慢のファストフードではどのような傾向が見られるだろうか。これは意外な結果が出ている。

「ファストフードの注文のために並べる(がまんできる)時間」
「ファストフードの注文のために並べる(がまんできる)時間」

まず「そもそも並ぶのなら購入しない」という数が、東京人の方が大阪人より多い。そして、「1分までしか待てない」と回答したのが東京人が18.1%に及ぶのに対し大阪人は2.9%しかいない。一方で「5分までなら待てる」という人は東京人が35.2%なのに対し大阪人では半数近い48.6%に及んだ。

集計データを元に考察してみると、ファストフードで行列を見た際に「1分を超える」場合、東京人の場合は44.8%が並ばずにあきらめるのに対し、大阪人の場合はあきらめ率が27.7%に留まるのが分かる。5分を過ぎると大阪も東京もさほど変わりはなくなるが、この「1分~5分」の間の違いは意外なように見受けられる。

レポートでは並ぶ理由が挙げられているがその中に大阪人側で「安く食べるためなら」「どこに行っても混んでるだろうから」(10分待てる人の意見)という言葉があるのを見ると、「ファストフードに対しては大阪人の方が割り切りがしっかりしているのかも」という推測が頭に思い浮かぶ。あるいは「あらためて別の店を探して並ぶより、並んでいれば確実に購入できるこの店で並ぼう」というしたたかな計算に、大阪人の方が長けているのかもしれない。


レポートではこの「レストランとファストフード」の視点以外にも、時間管理や待ち合わせ時間、交通機関の遅れ、ビジネス電話の折り返し時間などに関して、大阪人と東京人の時間感覚の違いを調査結果として提示し分析している。例えば交通機関の遅れに対するイライラ度では東京人よりも大阪人の方が遅れに厳しい感覚を持ち、特にバスの遅れではすぐにストレスが溜まることという結果が出ている。

大阪人がせっかちなのは
交通機関が複雑で
多数の乗換えを
余儀なくされるため?

「大阪人はせっかち」というイメージが裏付けられた感のあるデータであるが、【池田銀行顧問の神保敏明氏のレポート】によると、国土交通省の各種データを元に「大阪人の速歩きは事実でそれがせっかちなように見せる原因だが、その大きな要因は大阪独自のインフラの仕組みにある」と分析している。

大阪では民営鉄道が多数張り巡らされているので、乗り継ぎが多く、1本の乗り遅れが10分のタイムロスを産み出す可能性もある。そのリスクを少しでも軽減するため、駅から駅への乗り継ぎのための歩行速度が自然に速くなるというのだ。確かに今回のカシオの調査データでも、それを裏付ける答えが各所に見受けられる。

その推論を頭に入れた上で今回のカシオの調査結果を読み直して見ると、大阪と東京それぞれの地域特性と共に、そこに住まう人々が環境に順応すべく時とどう付き合っているのかが分かるような気がするのだが、どうだろうか。

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