電池劣化がケータイ本体の買い替え時……携帯電話の充電池事情

2007年06月11日 06:30

モバイルイメージ【Japan.Internet.com】が6月7日発表した調査結果によると、携帯電話の電池(バッテリー)が劣化してすぐに電池切れとなってしまった場合、半数近い人が「機種変更をして本体そのものを買い替える」と考えていることが明らかになった。バッテリーパックを交換する人は3割にも満たず、「電池の替え時が本体の替え時」と考えている人が多いことがうかがえる。

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この調査は10代から50代の携帯電話ユーザー300人に対して行われたもの。調査母数がやや少なめのため、結果には多少のぶれが生じている可能性がある。

携帯電話でもっとも困るのが、外出時の電池切れ。肝心な時にバッテリー残量のマークが残り1を示して「ヤバイ、電池切れになる」と慌てふためいた経験を持つ人も多いはず。そのような経験をした際に、あるいは実際にバッテリーが切れた時にどう対処するかという問い(複数回答)には、「あきらめてそのままにすることが多い」と回答した人がもっとも多く72.7%を占めた。

外出時に携帯電話のバッテリーが切れたら?
外出時に携帯電話のバッテリーが切れたら?

「携帯電話のショップで充電してもらう」と回答する人が多いように思われたのだが、今調査ではわずかに15.0%に過ぎなかった。同様に「非常用充電器をその場で購入する」という回答も12.3%と少なめ。

最近はコンビニやファストフードショップなど手身近な店でも携帯電話の充電器を設置するようになった(コイン式の有料だが)。かつての公衆電話のような感覚で置かれていることもあり、積極的に使われているのかと思われたが、そのサービス利用者は10%にも満たなかった。

これらの回答から、携帯電話の充電については「電池が切れたら仕方ないネ」という、ドライな考え方をしている人が多いことが分かる。

では携帯電話のバッテリーが劣化して、すぐに電池切れになるような状況になったらどうするか、この質問には半数近くが「携帯電話そのものを機種交換する」と答えた。

携帯電話のバッテリーが劣化したら?
携帯電話のバッテリーが劣化したら?

バッテリーパックを交換する人は27.7%と3割に満たず、機種変更をしてしまう人を大きく下回った。よほど荒い使い方をしない限り、「すぐに電池が消耗するな」と実感するほどバッテリーが劣化するには1、2年はかかる。最近は携帯電話の新商品発売のサイクルも短くなり、数か月単位で新しい、魅力的な本体が発売される。状況によってはバッテリーパックの交換が無料になることもあるが、1~2年前の機種にわざわざ新しいバッテリーパックを装着するために専門店に行くのなら、せっかくだから(多少出費をしても)機種変更もしてしまおうという考えの人が多いのだろう。

この傾向を「モノを大事にしない傾向で由々しき事態である」と受け止めるのか「携帯電話をツールとしてのみ認識し、機会があれば新しい機種へ取り替えるという先進性が感じられる」と認識するのかは人それぞれ。少なくとも、「バッテリーが劣化したら本体ごと取り替える」人が多いという事実から、「携帯個体へのこだわりはさほど大きくない」ことだけは確かだろう。

電池が切れたら
「あきらめる」。
電池が劣化したら
「本体を買い換える」。
本体へのこだわりは
意外に少ない。

「消耗品が切れたら本体そのものを取り替える」という傾向は、本体が非常に安い電化商品によく見受けられる。よい例がプリンターのヘッド部分。トナー部分と比べてヘッド部分は耐久性が高いが、それでも長い間使っていればいつかは交換を余儀なくされる。しかしプリンター自身が極めて安価で性能が日々向上しているので、「ヘッドを買い換えるくらいなら本体そのものを買い換えた方が良い」という選択肢の方が、賢い場合も多々生じる。

似たような例はかつてのビデオデッキや電話機でも見られた。ビデオなら読み込み部分の磨耗で修理に出すくらいなら、新しいビデオを買った方がはるかに安上がりということになる。個体性能の技術向上のスピードや、メーカー側のビジネスモデルの変化が、「消耗品を買い換えるくらいなら本体そのものを買い換えよう」と考える消費者側の考えを後押ししているのだろう。

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