映像を「さわれる」技術、NTTコムウェアが開発

2007年06月21日 08:00

Tangible-3D技術イメージ【NTTコムウェア】は6月20日、リアルタイムで実写の3D映像をさわることができる技術「Tangible-3D技術」を開発したと発表した。メガネをかけずに3D映像を体験できるシステムを元に研究開発したもので、グローブのような装置をつけて立体映像にふれることで、その物体にさわったような感覚を実体験できる(【発表リリース】)

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NTTコムウェアではすでにカメラ2台を使って映像を投影し、リアルタイムに3Dに合成して配信するシステムを開発済み。今回の「Tangible-3D技術」はその技術の応用編のようなもので、映像を画像処理し、さらにソフト部分で映っている対象物の「さわった感じ」の情報をリアルタイムに配信する処理を実現した。配信された3D映像は3Dディスプレイで表示し、同時に「さわった感じ」の情報は専用のグローブのような触感デバイス装置で再現できる。

リリースによればこの技術(見た目とさわった感じの同時伝達)によって「受信側がリアルタイムに擬似的な握手体験をすることが可能」となる。

リリースにある「Tangible-3D技術」を利用した「バーチャル握手」
リリースにある「Tangible-3D技術」を利用した「バーチャル握手」の図

今後は技術開発を進めて3D映像を色々な位置から見られるようにし、「3D博物館」「遠隔教室」(陶芸など)「テレビ電話」などの使い方を想定するとのこと。

現在は開発途上の技術なため視点が固定されていたり触感を得るための機械がごてごてしていて一般的ではないなど実用面での問題点は多い。しかし技術開発にめどがたち、商業化のステップに入ればもっと汎用的になることは間違いない。

触感グローブというと1980年代に流れ星のように登場した、ファミコン用外部コントローラー「パワーグローブ」(テレビCMで「パッ○スのしわざ、その1」というコピーで大々的に報じられた)を思い出す人も多いだろう。実際にはあれとはまったくの別もので、技術的にも色々と面白そうに見える。

リリースにある使用例以外にも例えば某週刊誌で連載中の医療漫画に掲載されたシステムのように、医療現場でのシミュレーターに用いるとか、ゲーム分野での応用、その他さまざまなシミュレーターに活用できる。

また、映像と触感をデジタルデータ化できるということは、将来的に特定の状況をデータとして保存し、何度でも同じ体験が出来ることを意味する。これもハードルは高いが、多種多様な面での応用が期待できるだろう。

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