家計の金融資産は過去最高の1536兆1628億円へ・ライブドアショックによる株式資産目減りも鮮明に

2007年06月17日 12:00

株式イメージ【日本銀行】は6月15日、2007年3月末時点における資金循環統計を発表した。それによると家計が保有する金融資産の残高は1536兆1628億円となり、前年同期の1520兆4524億円を1.03%上回り、年度末ベースでは過去最高を記録した(【発表ページ】)。

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資金循環統計は家計だけでなく企業や政府など、経済の構成要素ごとにお金がどれだけ流れているか、あるいは集まっているかなどを分析した統計。経済情勢や各構成要素の注目度、活性度が分かる指標でもある。

四半期単位での家計の金融資産の増減
四半期単位での家計の金融資産の増減

家計の金融資産の増加は、経済そのものの規模拡大以外に、所得の増加、さらには配当収入なども背景にあるものと思われる。一方、直近では2006年12月末を最高に、2007年3月末ではやや数を減らしている。これは毎年の傾向であり、年度末や年末で消費の機会が多いからだと思われる。

政府では「貯蓄から投資へ」という資金のムーブメントを推奨しているが、実際の流れはどうなのだろうか。発表されたデータを元に調べてみることにする。それぞれ過去データを元に(対象期間は一部異なるものもあるが)、家計における預貯金残高、株式資産残高、株式以外の証券資産残高を順にグラフ化した。

家計の預貯金残高
家計の預貯金残高
家計の株式資産残高
家計の株式資産残高
家計の株式以外の証券資産残高
家計の株式以外の証券資産残高

現金または相当品の残高が年内期における変動はあるものの少しずつ減少する傾向にあるのと、株式・株式以外の証券資産残高が逆に少しずつ増加する傾向にあることから、「貯蓄から投資へ」という流れは少しずつ形になりつつあるものと思われる。

また、家計の株式資産残高において2006年3月期から2006年6月期にかけて大きく残高が減っているが、これは例の「ライブドア・マネックスショック」に始まる新興市場の急落が大きく影響を与えているものと思われる。一方で株式以外(投資信託など)はこの急落にも耐える形となっており、「現物より投信の方がリスクが低いのでは?」という世間一般の推測を裏付ける形となっている。

今件はあくまでも「これまで」の統計データであり、「これから」を推測する一要素に過ぎないが、それでも現状を把握し未来を予想するのには十分な素材といえるだろう。

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