朝食の良し悪しが学校の楽しさにも影響!? 千葉大教授ら発表

2007年05月29日 08:00

家族で朝食イメージ【千葉大学】の明石要一教授らのグループが5月28日、小学生の朝食や睡眠時間と学校生活の楽しさの関係を調査した結果を公表した。それによると、朝食をしっかり採っている子どもほど学校を楽しく感じていることが明らかになった(【参考:北海道新聞】)。

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大元の発表資料が確認できないので各報道に掲載されているデータなどによれば、この調査は2006年9月25日から29日に、千葉・東京・鳥取の小学校4校で5年生計231人を対象に行われたもの。

早起きと朝食が和食・洋食との関係

午前7時を境に早起きかどうかを測定したところ、7時前に起きた子どもは61%、7時半以降に起きた子どもは6%だったという(7時から7時半の間は3割弱?)。そして全体の98%が毎日朝食を採っていたものの、7時半以降に起きる子どもの場合、その33%は食べない日があったという。要は寝坊して食べる暇が無かったということなのだろう。

一方、朝食が和食か洋食かで分類すると、和食中心の子どもは77%が7時前に起きるのに、洋食中心の場合は44%に留まったとのこと。朝食のレパートリーを考えると、洋食の方が和食よりも簡単に作れる、食べられるイメージがあるところから、「洋食ならすぐに用意でき、食べられる→食事の時間が短くて済む→ぎりぎりまで寝ていられる」という状況が想定できる。

しかし「学校が楽しいか」という質問には和食中心が57%で「とても楽しい」としているのに洋食中心はわずか19%に留まったという。元データが分からないので検証できないが、「和食を食べると学校も楽しく思えるようになる」何らかの要素があるのだろうか。それとも、そもそも論になるが「朝食に和食を作れるような時間的精神的余裕がある家庭、子どもには、学校での生活も楽しく過ごせる許容力があるから」なのだろうか。今データだけではそれ以上の推論は難しい。

朝食の内容が充実していると学校も楽しい?

また別の報道(NHK)ではプレス向けに配られたと思われる資料を別の視点から考察していた。そこに掲載されていたデータによると、

■朝食の内容
「ご飯やパンなどの主食」「おかずの主菜」「副菜」「汁物」のうち
・4品が揃っている……31%
・3品が揃っている……42%
・2品が揃っているか1品のみ……27%

■朝食の内容と学校の楽しさの関係
「学校がとても楽しい」と答えた割合
・朝食4品……62%
・朝食3品……35%
・朝食2品か1品……17%


という結果が出ている。朝食は大切、という考えは(先にもあるように98%が朝食を採るという回答をしていることから)浸透しているものの、内容の充実までには至っていないことや、充実した朝食を採っている子どもほど、学校生活での楽しさを感じている割合が多いことが分かる。

先の「寝る時間」や「和食・洋食」の関係もあわせ、親の子どもへのケアの度合が、生活時間のほとんどを過ごすことになる子どもの学校生活での満足感の度合に大きく影響するものと思われる。

検証データ数が文部科学省など公的機関のものと比べて少なく、データそのもののぶれの存在も否定できないが、朝食の内容と学校生活の充足感との関連性という、非常に興味深い内容の検証データであることに違いはない。データの一般公開などを望みたいところだ。


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(最終更新:2013/08/21)

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