投資顧問を行う「黄金のポートフォリオ」などの運営会社に対し行政処分勧告

2007年05月26日 12:00

株式イメージ【証券取引等監視委員会】は5月25日、【黄金のポートフォリオ】などで投資顧問業を展開するファイナンシャル・リーダー株式会社が行っているサイト・電子メールなどの広告内容が事実と著しく異なっていることを指摘し、金融庁などに対し行政処分を行うよう勧告した(【発表リリース】)。

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リリースによるとファイナンシャル・リーダー社では「黄金のポートフォリオ」【勝つ為の投資研究所】【パワー投資研究所】の3つのサイトで投資顧問業に関する広告を展開(運営)しているが、すべてのサイトに掲載されている「成功事例銘柄」のうち、約半数で「助言実績がまったくない」、約1/3銘柄では「買い推奨をして結果として儲かった」という日に実際には助言をしていなかったことが証券取引等監視委員会の調査で明らかになった。これによる委員会では「投資顧問契約に基づく助言の実績について著しく事実に相違する表示を行っていた」と判断。

さらに電子メールによる勧誘においても、「報酬がより高額な投資顧問契約への変更を勧誘」するため、さまざまな成功事例を挙げたうたい文句(8610万円の利益、勝率80%・平均上昇率170%など)を語っていたものの、2005年4月1日から2006年12月1日までの間に1098人の顧客に送られた助言実績において、うたい文句に該当する「成功事例」がまったくないことが認められたとし、「投資顧問契約に基づく助言の実績について著しく事実に相違する表示を行っていた」と委員会側では判断している。

要は「値上がりする銘柄をズバズバ当てていますよ、これだけ当たって儲かっていますよ、とウェブ上でもメルマガでも助言し投資顧問契約における報酬を獲得しているが、その宣伝にはウソ偽りだらけだ」と証券取引委員会が認定し、投資顧問業法に違反していると判断したことになる。

投資に関する考えを述べるのは自由であるし、投資顧問業法に基づいて契約を締結しアドバイスを行い報酬を得るのも自由。しかしいくら顧客を集めて多くの報酬を得たいからとしても、ウソのセールス文句を並べ立ててはいけない。これは何も投資顧問業法に限ったことではない。

最近では外国為替証拠金取引(FX)による高額な利益が相次いで報じられたため、世間でも話題に登っていると見ているのか、特にFX絡みのスパム広告が目につく。ワープロで打ち出したような何の裏づけもない「FXでこれだけの利益を上げました」的な書類一枚を提示して「私が考案したFXの投資手法で借金生活からおさらば、毎年○×万円の利益を上げています」などといううたい文句と共に、ノウハウとやらが書かれた商材を買わせようとするメールが当方にも毎日山のように届く。

問題のある会社は、今回勧告を受けたファイナンシャル・リーダー社だけ、というわけではない。今後著しい問題があれば、証券取引等監視委員会も同様のアクションを他の会社に対しても起こすだろう。イメージの観点からも、真っ当な投資顧問業を営んでいる多くの会社や個人にとっても、はた迷惑な話であるだけに、取締りの強化を期待したいところ。あるいは今件が一罰百戒となり、自然浄化がなされれば、それもまたあり、といえるだろう。

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