交通活性化再生法成立・路面電車の支援や赤字地方線をサポート

2007年05月21日 06:30

富山ライトレールイメージ[このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています]などが伝えるところによると、赤字ローカル鉄道の生き残り策や次世代型路面電車(LRT)の導入などを柱とした、公共交通活性化再生法が5月18日に参議院本会議で可決し、成立した。11月までに施行される。具体的な法案内容は【こちらになる】

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交通活性化再生法は地域における鉄道やバスなど、住民の足となる公共交通機関が置かれた経済的な状況の厳しさを踏まえ、それらの交通機関を中心とした地域の活性化や再生を計画すれば廃線の取り下げや国のサポートが受けられるというもの。

具体的には事業者以外に公安委員会、自治体や住民などからなる協議会で「地域公共交通総合連携計画」をつくり、事業者や自治体の間で路線維持の合意ができれば、国は法的な部分で特例を適用し(レールの保有と運航を別会社が行う上下分離制度の導入や、関連法の事業許可を一括して受けたものと見なす「事業許可みなし取得」の適用など)、予算配分での支援も行う。

この「事業」には「鉄道再生事業」も含まれるため、例えば経営が成り立たなくなって廃線・事業廃止届出が出された地域路線について、鉄道そのものの維持やバスなど他の交通機関への変換により、地域住民の足を確保することができるようになる。

今法律で注目されているのが、LRTとBRTと呼ばれる新タイプの地域交通機関の導入を積極的に推し進めていること。前者LRTはLight Rail Transitの略で、通常の大規模鉄道に対して「軽量な交通機関」と命名されたもの。日本でもかつて多地域で運転されていた路面電車をハイテク化したもので、日本では【富山ライトレール】が事例として挙げられよう。

ニューヨークで導入されているBRT
ニューヨークで導入されているBRT
【Naparstek】から

一方BRTはBus Rapid Transitの略で、専用車線を通るシステム化された高速バス。よく見かける地域路線バスと違い、バス専用の路線が用意されているのがポイント。車両も路面電車に近い、複数台数を連結したようなものが用意される。

LRTもBRTも新技術を用いて利便性を高めると共にコスト削減を図り、地域の交通機関整備に一役買うために用意された仕組みとして、現在世界各国で注目されているもの。既存の鉄道やバスでは経費がかかりすぎて採算があわず、廃線を余儀なくされるような場面でも、これらの新システムを導入することで、住民の足を確保維持することができるようになるかもしれない。

日本ではLRTやBRTの導入事例がそれほど多くはないので、今後も試行錯誤が必要になる。今回施行が決まった交通活性化再生法をうまく活用し、廃線が進む地域鉄道そのもの路線を維持したり、LRTやBRTの活用で地域サービスを損なわないようにしてほしいものだ。

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