多い? 少ない?「持ち株100万円以上」は約半数

2007年05月05日 12:00

株式イメージ年度末と決算をあわせ、結果的に6月に定時株主総会が集中する※。ではネットトレーディングの普及で個人投資家が爆発的に増加した現在、「自分も株主だ」と実感できる株主総会は個人投資家の目にはどのように映っているのだろうか。【Japan.Internet.com】の調査によると、「あまり満足していない」という結果が出た。

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調査は20代から60代のネットユーザー1083人に対して行われた(Japan.Internet.com独自のリサーチにしては随分と数が多い)。その調査結果によると、まず株主総会に参加経験のある人自体が18.43%とかなり少なかった。そして経験のある人に尋ねたところ、「満足できない時もあった」が38.75%、「すべて満足できない」が33.75%と多数を占め、あわせて72.5%が満足できないと感じていることが明らかになった。

「満足できない時もあった」ということは「満足できた時もあった」でもあり、ポジティブに考えれば「毎回満足した」の12.5%とあわせ半数が「満足している」と考えることもできるが、いずれにしても本来なら「株主に満足してもらえるような」展開が望ましい総会において、過半数が「満足できない経験を持つ」というのは問題があると思われる。

満足できない経験は、個人投資家の総会での境遇をどう感じているかにも反映されている。「企業の株主総会では個人投資家は重視されているか」という質問には「重視されている」がわずかに13.1%。「あまり重視されていない」が単独で53.7%ともっとも多く、「まったく重視されていない」の21.9%とあわせると、こちらも7割以上が「重視されていない(軽視されている)」と思っていることが分かる。

本来株式を公開し、個人投資家に株主になってもらうことは、市場からの資金調達の他に「不特定多数に株主、つまり会社の構成員となり、多くの意見をフィードバックする」という意味もある。その個人投資家たちが、企業とのつながりをもっとも強く感じとれるはずの株主総会で「軽視されている」と考えていることを、企業は真摯に受け止め、猛省すべきだろう。もっとも、猛省できる仕組み・考えを持っているのなら、そもそも個人投資家からキツい意見を浴びせられるような対応はしていないことになるのだが。

元記事と順番は入れ替えになるが、最後に「現在個人で所有している株式の時価総額」についてたずねたところ、半数近い49.3%が「100万円以上」と答えた。

現在個人で所有している株式の時価総額
現在個人で所有している株式の時価総額

毎月【野村證券金融経済研究所】から発表されている「ノムラ個人投資家サーベイ」ではもう少し保有金融資産額が多く、同じ区切りなら少なくとも8割以上が100万円以上となっている。「現在所有していない」の15.0%を考慮するにしても、「調査対象によって株式時価総額に違いが生じる」ということなのだろうか(一万円未満の株式が7人も……いったいどこの銘柄だろう)。

あるいは単に「株式投資はしているが現在はキャッシュポジションを高めていて、ホールドしている株式は少ない」ということなのだろうか。質問事項がややあいまいなので、その判断がつきにくいのが少々残念ではある。


※商法の規定上、決算の締め日から3か月以内に株主総会を開催する必要がある。総会の準備には時間がかかるので、ギリギリの三か月目に行う会社が多いのは自然の道理。

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