経済産業省、バッテリー・水素燃料電池・ディーゼル・バイオ燃料の4本柱で次世代自動車を促進

2007年05月29日 08:00

燃料自動車イメージ【経済産業省】は5月28日、現在ガソリンエンジンの自動車がほとんどを占めている現状から、燃料の多様化を図り、環境対策を促進するため、官民一体となって研究開発を行う懇談会を立ち上げた。そして具体的な方策の検討を開始し、その計画書を発表した(【「次世代自動車・燃料イニシアティブ」とりまとめ】)。その計画書によると、「バッテリー・水素燃料電池・ディーゼル・バイオ燃料」の燃料4本柱体制を構築して、燃料の多様化を図ると共に、地球温暖化の一因でもある二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らそうという計画であることが明らかになった。

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計画書によると、大きく3つの「エンジン面での改革」と1つの「燃料面での改革」を果たし、その上で「世界一やさしい車社会の構想」を現実化するとしている。

●エンジン面での改革
・バッテリー……次世代バッテリー技術の開発、充電スタンドの整備、2030年までに本格的な電気自動車の普及を目指す。
・水素燃料電池……燃料電池開発研究、実証プロジェクトの実施、2030年までにガソリン車なみの低価格を。
・クリーンディーゼルカー……新燃料の開発、2009年以降本格導入を目指す。

●燃料面での改革
・バイオ燃料……品質確保と脱税防止のための制度インフラ整備、2015年には国産バイオ燃料の価格を100円/リットルまでに下げる。最終目標は40円/リットル。


計画には石油価格の高騰や、バイオエタノールの原材料であるとうもろこしなど穀物の価格上昇を受けて、日本独自の技術(例えば木材を材料として用いる)を用いて原材料調達のリスクを減らしたりコストを下げることや、価格が割高なディーゼル車両を普及させるために国が率先してインフラの整備支援を行うなどが盛り込まれている。

そして最終的には現在100%近い輸送分野での石油依存度が100%の状況を改善し80%にまで減らすと共に、エネルギー効率も30%改善することを目標とし、各方面での取り組みを本格化する方針を打ち出している。

さらに自動車インフラの面でも、渋滞を解決するために「低速車専用レーン」「輸送車両専用レーン」を設けることで都市部の平均走行速度を現状の2倍(現在の東京では平均時速は18キロ)にし、二酸化炭素の排出量を3割減らすことも掲げている。

これだけのプロジェクトを2030年までに果たすためにはぼう大な予算が必要。また現在からどこまでの技術革新が必要なのかも想像がつきにくい。しかし各方面が本気になることで(あるいはそうなるよう追い込まれることで)目標の達成は可能だろう。少なくとも見える目標・ロードマップができたことで、具体的に何をすべきかが分かっただけでも格段の進歩といえる。

あとは各部局のやる気と本気度に期待したいところだ。

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