【更新】カルピスがマルコメと共同で血圧降下作用を持つ機能性ミソを開発

2007年04月10日 12:30

マルコメミソイメージ【カルピス(2591)】は3月26日、通常のミソに比べると血圧の降下作用をもたらす機能性ミソの開発に成功したと発表した([発表リリース])。3月26日に行われた日本農芸化学会でも発表された(【カルピス研究所のリリース】)。

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リリースによれば、元々カルピスには製造過程前の「カルピス酸乳」が発酵する過程で出来るVal-Pro-Pro(VPP)、Ile-Pro-Pro(IPP)という、まるで『ウルティマ オンライン』に登場する魔法の呪文のような名前のペプチド(ラクトトリペプチド)が、血圧を上昇させる酵素の働きを防ぐ、つまり血圧を上げさせない効果があることが分かっていた。さらにこのラクトトリペプチドの元になるカゼインを麹菌から出来る酵素で作り出すことにも成功していた。

そこでカルピスでは麹菌を用いて作られるミソに着目し、【マルコメ】と共同で「ミソでラクトトリペプチドを作り、血圧を上げさせない効果を持たせられないか」という研究を実施した。

ラットによる実験結果
ラットによる実験結果。
通常のミソでは血圧が上昇したが カゼインミソでは
かなりの血圧降下が見られた

その結果、カゼインを入れたミソは通常のミソと比べて6倍ものラクトトリペプチドが含まれることが確認され、さらに「カゼインミソ」の血圧上昇酵素を防ぐ働きは通常のミソの8倍にも及ぶことが判明。この「カゼインミソ」をラットで実験したところ、通常のミソと比べて血圧降下作用が確認できた。

リリースでは「ラット実験により、カルピスの技術を用いたカゼインミソで、血圧降下作用を有する機能性ミソの製造が確認できた」とだけあり、人間にはどのような作用があるのか、実際に実験したことは書かれていない。そのため、人間での検証が待たれるところである。とはいえ、「通常のミソなら血圧が上がる傾向があるのに、カゼインミソなら逆に下がる」という実験結果は非常に興味深いものがある。

また、「カルピスでそのような効果があるんだから、同じ麹菌を使っているミソでもやってみよう」という発想は素晴らしいものがあり、それを実際にやってのけたカルピス・マルコメ両社には頭の下がる思いだ。

人間にも明らかに有効であることを確認した上で、「血圧降下が期待できるミソ」が商品化され、発売されることを期待したい。

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