米DellでXPの提供を再開・日本では…?

2007年04月21日 11:30

DELL製パソコンイメージ【IB Times】が伝えるところによると、パソコン販売の大手Dellは4月19日、アメリカにおいて家庭用のパソコンの特定モデルを新たに購入する際に、OSをWindows XPとWindows Vistaの両方から選択できるようにすると同社ウェブサイトで発表した。1月31日のVista発表以降、Dellでもこれまではディスクトップ・ノート双方で、家庭用モデルのほとんどに対してはXPの提供を停止していた。

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記事によると今年の2月にオープンしたばかりの、利用者の意見を集めたりその意見に対して投票できるサービスサイト【IdeaStorm】において、「XPの導入終了が早すぎる」などの意見が多数寄せられたことに対し、Dell側でも4月19日、「消費者向けPCにWindows XPのオプションを復活させてほしいというご意見をはっきりと認識しました」とすると共に、ノートパソコンやデスクトップの複数のモデルでXPを選択できるオプションをただちに再開すると語った。

実際に「IdeaStorm」を見てみると、実に数多くの興味深い意見が寄せられているのが分かる。

IdeaStormのようす。今流行のDigg形式のソーシャルブックマークサービスのようでもある。
IdeaStormのようす。今流行のDigg形式のソーシャルブックマークサービスのようでもある。

トップには「Linux」をプレインストールしたマシンを出してくれ、MSのOfficeシリーズの代わりにオープンOfficeを入れてくれ、初期ブラウザとしてFirefoxを採用してくれ、追加組み込みソフト無しのバージョンを出してくれ、OSがインストールされていない状態のセットを出してくれなどなど、実に多彩な意見が寄せられていて、多くの人の賛否両論を含めた投票が行われている。中には「もっとRAMを」「国際コールセンター」をなどのように、組み込みソフトの問題以外のサービスに関する提唱も見受けられる。

このようなサイトの意見を実際に採用することで、Dellはユーザーのニーズに応えることができるし、利用者は満足感を得ることができる。いわば一挙両得。もちろん「ガス抜き」や「消費者サイドを向いているというアピール」など、実質的なメリットもDellにはもたらされる。

Windows XPは現在【MSの発表によれば】メインサポートは2009年4月まで、2014年4月までは延長サポートを受けることができる。最新鋭OSの座はすでにVistaに受け渡されたわけだが、OSそのものの寿命としてはまだ5年以上の猶予が与えられたわけだ。なじみ深い、あるいはソフトウェアを動かす上でVistaと比較すれば安定性の高いXPを、新型のマシンにも導入したいというニーズは世界共通のお話。

さて。

スペック画面
「個人事業主」のページでは
比較的多くの機種でOSを
XPとVistaから選べる。

【日本のDell】ではどうだろうか。日本には「IdeaStorm」に該当するサービスはない。個人ベースでの購入ページではやはりほとんどがVista導入が前提となっていて、XPを選べる機種はごく一部。「もっとXPで色々な機種を選定したい」という人は、あえてここで「個人事業主・SOHO・中小規模企業」向けページから選んでみるとよいだろう。「Windows XPをご希望の方はこちらへ」のメッセージと共に、デスクトップのみだが多くのXP搭載機種を見つけることができる。

メーカーの視点からすれば最新の商品を売りたいだろうし、MSとしてもVistaの普及を早めたい意図もあるだろう。しかしユーザーからすれば「もっとも使いやすい、安定性の高いマシンを購入したい」というニーズが多いのもまた事実。

最後の一人のニーズにまで応える必要はないだろうが、「もっとXPを!」という声が大きい限り、XPを搭載したモデルを数多く用意するのも、Dellをはじめとするパソコン販売メーカー側の責務ではないかと思われる。

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