メタボリックで四人に一人が要指導・来年4月から特定健診、特定保険指導開始

2007年04月08日 11:00

肥満イメージ【厚生労働省】は4月8日、先に【メタボ対策全国民体制・40歳から74歳に「特定健診」実施へ】でお伝えしたように健康保険法などの改正に伴い実施される、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)など生活習慣病のリスクが高いグループとその予備軍を抽出し、レベル分けした上での健康診断や保険指導(それぞれ特定健康診断(特定健診)、特定保険指導)に関する実施の強化についての具体的な方策(確定案)を発表した(【発表リリースページ】)。これまで会社の従業員だけに義務付けられていた健康診断を、40歳以上(74歳以下)の被保険者やその被扶養者を対象にするところがもっとも注目すべきポイントである。

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特定健康診断と特定保険指導の義務化実施は2008年4月1日から。対象となるのは、健康保険組合や国民健康保険など、すべての40歳以上74歳以下の保険者。自営業者や専業主婦、被保険者の被扶養者も対象。

特定健康診断の流れ

特定健診は次のような項目に従って各種データが取得され、カテゴリー分けされる。質問票に必要事項を記入し、身体検査や血圧、血液、検尿検査を実施。その後、

■ステップ1
・腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上ならステップ3の(1)へ
・腹囲が上記未満でもBMI値(ボディマス値、体格値)が25以上ならステップ3の(2)へ

■ステップ2(ステップ1で該当した場合にチェック)
①血糖値が一定値以上の場合
②脂質値、コレステロール値が基準外の場合
③血圧が一定値より高い場合
④喫煙歴がある場合(①~③のうち一つでも該当していた場合にのみカウント)

■ステップ3(ステップ1で該当した人がステップ2でのチェック数を数えた上で)
・ステップ1で(1)の場合
 ……ステップ2でのチェックが2個以上は「積極的支援レベル」
          〃    1個の場合は「動機付け支援レベル」
          〃    0個の場合は「情報提供レベル」
・ステップ1で(2)の場合
 ……ステップ2でのチェックが3個以上は「積極的支援レベル」
          〃    1個か2個の場合は「動機付け支援レベル」
          〃    0個の場合は「情報提供レベル」

※例:男性で腹囲80センチ・BMI=27、血糖値に問題あり、喫煙歴ナシの場合、「動機付け支援レベル」となる。


要はステップ1における「腹囲」やBMI値が大きく関わってくることになる。BMI値はともかく腹囲は身長によって個人差があるのに、「85センチ(90センチ)」と画一化して問題はないのか、という疑問もあるが、決まってしまったのだから仕方がない。

なお他の病気で服薬中の人は、今回決定した特定保険指導の対象からは除外される。療養内容に差しさわりがあるかもしれないからである。

スパルタ式対メタボ特訓!?

具体的な指導内容だが、「情報提供レベル」は単純に各種資料が配布されるだけに留まる。問題なのは「積極的支援レベル」と「動機付け支援レベル」。

詳しくは上記リンク先にある資料で確認してほしいが、簡単にまとめると

■動機付け支援レベル
・個人面談かグループ講習会の実施
・六か月後に電話か電子メールで成果の確認

■積極的支援レベル
・個人面談かグループ講習会の実施
・個別、グループ、電話、電子メールなど多彩な方法で支援が行われる
・生活習慣の再見直しや行動計画の立案、確認、必要ならば支援
・改善のために取り組んでいる行動の実践状況の確認と再検討
・モチベーション維持のための賞賛や励まし
・これらのサポートを詳細にポイント化し、累計ポイントを一定数超えるまで「支援」
・六か月後に身体や生活習慣に変化が見られたか確認


などの支援を受けることができる。

特に「積極的支援レベル」では「10分間個別支援を受けると20ポイント」「行動計画票の実施確認と励ましや賞賛を受けると10ポイント」という形で詳細にポイントが割り振られ、最低限のポイント数を取得するよう支援が行われる形となる。

これらの支援活動は、サラリーマンに対して年一度行われる健康診断の後、これまでも任意で実施されていた肥満対策指導プログラムや、入院した際に実施されることもある栄養士による栄養指導のそれに近い。

「なんか面倒くさいな」と思う人も多いだろうが、費用は原則として無料(保険者である国や自治体が負担する)。タダでメタボ対策を受けられるのだからラッキー♪とポジティブに考え、応じるのが吉だろう。

ちなみに同日発表された推計資料によると、今回実施が決定した特定保険指導の対象者推測値は、「動機付け支援」が13.4%、「積極的支援」が11.5%とのことである。あわせて1/4、四人に一人がメタボ関係で指導を受ける必要が生じていることを考えると、一刻も早く打てる手は打つべきだと思えてならない。

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