「タンス株」動向詳細確認・タンス株比率は近畿が高く、個人投資家の2割強はまだ「タンス株」状態

2007年04月11日 06:30

先に【「タンス株」個人では231億株、法人もあわせると756億株にも】でお伝えした「タンス株」が231億株、法人分も含めると756億株に及ぶという【日本証券業協会】発表による各メディアでの発表だが、【日本証券業協会証券決済制度改革推進センター】にその資料が公開されていることが判明した(【該当リリース、PDF】)。

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その資料によると、個人のタンス株は231億5970万6383株、外国人投資家によるものが56億6807万423株、事業法人が376億8735万208株などとなっており、その他すべてを合わせると755億9957万6536株という数字が出ている。

地域別では東京都がずば抜けて多く340億9117万795株と半数近くを占めているが、これは所属する事業法人が抱えているタンス株によるものが多数を占めている。同様の理由で大阪府を含む近畿地域も126億1774万9982株と多い。

これをタンス株”主”数で見ると、また違った面が見えてくる。タンス株の株主数は近畿地域が東京都・関東(東京除く)を超えてトップに立ち、327万146人にも達している。東京都では226万8928人だから非常に多いといえよう。

どれだけほふり(証券保管振替機構)に預けているか、つまり「機構委託分」の比較では、政府・地方公共団体は別として(持ち主の変更は想定されない)、銀行や事業法人のほふり委託率が低いのが分かる。前者はともかく後者は、名義変更のし忘れによる権利失効の恐れについてチェックをしているのか、少々不安ではある。また、もっとも重要と思われる個人でも、一年間で約1.3%ほど状況は改善されたが、それでも2006年3月末現在で26.6%の株主がほふりへの委託をしていないのが判明している。

ちなみに県別におけるタンス株株主比率だが、トップは奈良県の21.8%。次いで富山県・東京都の16.8%、愛知県の15.8%、兵庫県の15.3%、和歌山県の15.0%、大阪府の14.9%の順。

そもそも上場企業の株式を株券の形で手元に持っているという状況にある人はそれほど多くはない……と思っていたが、実はそうでもないことが分かり、驚かざるを得ない。ほふりへの預け率は少しずつ上がってきてはいるが、2009年1月の電子化までにはもう間も無く、特に個人分の231億株あまりの行方が気になるところではある。持っていること自体を忘れてしまったという人はいないだろうが、念のため「タンス」を探してみることをオススメする。

もちろん元から無い株券は、いくらタンスを探しても出てはこないが(笑)。

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