加ト吉(2873)、循環取引の責任を取り社長が辞任へ。後任にJT出身の金森副社長・各報道報じる

2007年04月21日 19:30

株式イメージ【四国新聞】など各報道機関は4月21日、【加ト吉(2873)】が4月20日に、創業者の加藤義和社長が辞任し、後任に【日本たばこ産業(2914)】出身の金森哲治副社長を昇格させる人事を固めたと報じた。報道によると加藤氏は会長も退くとのこと。

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加ト吉については、同社の重役が伝票上だけで実際には物品のやりとりをしていないのに、複数業者間での転売をしているような工作をする、俗にいう「循環取引」に関わった疑いが出ている。加ト吉側では公式には今件を「まだ」一切認めていないが、4月3日は今件に絡むものと思われる「経営成績に著しい影響を与える事象」として、数十億円の損失(75億円の特別損失)が発生しうることを報告している(【発表リリース、PDF】)。

今件に関しては4月中旬までに修正財務諸表の提出と共に調査結果を明らかにすると伝えていたが、4月21日現在にいたるもその動きは一切無い。上記報道によると、外部の弁護士らによる委員会の調査結果を週明け以降にも公表し、この人事も合わせて発表する方針だという。

2006年3月期の決算報告書(【リリース、PDF】)によると、同期の同社売上高は3398億5000万円、経常利益は145億9700万円、純利益は65億9800万円となっている。循環取引が事実だとすればこの業績にも多分に加算されているから一概に比べるべきではないかもしれないが、75億円の特損となれば一年分の利益がすべて吹っ飛ぶ計算になる。

現状では公式には「関連会社の連鎖倒産による特損」と発表されているが、これが循環取引という不法行為を起因とするものであることが判明すれば、上場規定にも絡んでくる問題となるのは必至といえる。

また一部報道ではJTが加ト吉を子会社化したがっているという記述も見受けられる。今回報じられた人事が現実のものとなれば、そのJTの思惑が一歩実現に近づいたと見受けることもできる。調査委員会の発表やその発表に基づいた東証の判断、さらにはJTの思惑も含め、週明け以降加ト吉は嵐にもまれることだけは間違いないだろう。


(最終更新:2013/08/21)

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