「2億円から5千万円へ」「B.N.F.氏の資産は165億円に」~不信の連鎖がもたらす新興市場の低迷と個人投資家達の悲喜交々(ひきこもごも)

2007年04月17日 12:30

4月16日発売の週刊日経ビジネスの連載記事「自壊する新興市場」において、俗に言う「億プレイヤー」な個人投資家たちと新興市場の関わりや近況、そこからかいま見られる現在の新興市場が抱えている問題点を提起するレポートが掲載されていた。著名な個人投資家達が何人も登場し、非常に興味深い内容でもあるので、ここに簡単にまとめてみることにする。詳細は今号を手にとって確かめてほしい。

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「2億円達成から5千万円へ急落・一か月で6800万円の損も」うり坊氏の場合

今回の特集のトップを飾るうり坊氏本人とグラフ。
今回の特集のトップを飾る
うり坊氏本人とグラフ。
イケメントレーダーと
呼ばれるだけのことはある。

【うり坊のリアルタイムトレード】などでトレード記録を公開しているデイトレーダー、うり坊こと田端達也氏(仮名)。パチンコで稼いだ100万円を元手に2006年2月には230倍の2億3000万円にまで資産を増やしたが、その後新興市場、特にIPO銘柄の急落で資産額も急速に減少。今は5000万円にまで減らしているという。今回の特集記事のトップページには氏の資産額が棒グラフで描かれており、いかに大きな変動があったのかが一目でわかる。

うり坊氏は記事の中でこのような損失を出した原因について、【ラクーン(3031)】【ハブ(3030)】などIPO銘柄のリバウンド取りに失敗したからと説明している。自分の得意としたトレードスタイルが通用しなくなったというのだ。2006年4月にはこれらの銘柄で6800万円もの損失を出したという。

「今はマザーズ指数や日経平均先物など市場全体の動きを示す指数を見て、株価上昇の動きが強いと思える時は積極的に買うが、そうでない時は自分も動かない」と今の戦略を語ると共に、「前と同じ方法が通用しなくなった」と嘆いていた。

「不信の連鎖が新興市場銘柄を低迷させる」中井氏の場合

新興市場銘柄の
買い手がいないのは
上場しても
業績が伸びない企業が
目立ち始めたから
(個人投資家・中井祐介氏)

続いて紹介されたのは、大学4年からトレードをはじめ、大学院卒業時には6200万円まで資金を増やした中井祐介氏(仮名)。氏もやはりうり坊氏と同様の銘柄で大きな損失をこうむったという。

中井氏は「新興企業の中に上場後業績が伸びない銘柄が増えてきたため、買い手がいない状況となった。しかも株価下落で投資家に余裕がないので、誰も買わない」「ある業界の代表格的銘柄が下げたら、同業種の銘柄も一斉に下げる」などと、新興市場の現状を昨年4月の【インデックス(4835)】ショック(インデックスの業績下方修正・株価大幅下落に伴い、【USEN(4842)】や[楽天(4755)]など主要ネット銘柄が軒並み株価を下げた)を例に挙げて説明している。いわく、「同業他社も同じなのでは」。

「三菱重工すら動かせる!?」B.N.F.氏の場合

「上昇力のある強い銘柄が少なくなった」
「米市場や日経平均先物の動きを見て
 主力銘柄の買いを決める」
(個人投資家・B.N.F.氏)

これらトレーダーの事例を挙げて、個人投資家の動向と新興市場の現状を説明しながら、最後に「単独で市場に影響を与えられるような資産規模になった『巨大な個人』」の事例として、くだんの「ジェイコム男」ことB.N.F.氏(小川拓也氏、仮名)が紹介されている。

氏は2000年秋に160万円で投資をスタートし、今や億プレイヤーどころか百億プレイヤーとして名を知られ、証券市場で事あるたびにメディアに登場する「著名個人投資家」の一人として知られている。氏の直近の成績として「今年の3月末までに15億円を稼いだ」「6年余りで160万円を165億円に」という言葉が踊る。

興味深いのは現在のB.N.F.氏のトレードスタイルに対する言及。規模が大きくなったので東証一部銘柄を中心に取引しているとのことだが、いわく「上昇力のある強い銘柄が少なくなった」ので、市場全体の強弱に目を向けているとのこと。

パターンとしては、アメリカのニューヨークダウとナスダック市場の株価が上昇して日経平均先物も上がれば、その日の日本の株式市場も強くなると予想。その理由について「アメリカを中心にした外国人の資金が日本株に入りやすくなるから」とのこと。その上で、主力銘柄の中でも特に強いと思うものに買いを入れるのだそうな。具体的には「鉄鋼株を買おうかな」「USスチールをモニタリング」「USスチールが強い!」「日本の鉄鋼株を買おう」という具合だ。

そしてB.N.F.氏がよくトレード対象とする【三菱重工業(7011)】を例にとり、氏の「投資力」である程度重点投資されれば、三菱重工ですら株価に大きな変動がおきうるとし、「個人でもそれだけの力を持つようになった」と記事では説明している。


今回のレポートでは「信頼と信用を失いつつある新興市場が、個人投資家のマネーゲームの対象としてもてあそばれる場となり、それがさらに信用を失う一因にもなっている」「個人投資家の影響力は無視できない状況」と説明している。新興市場が自らを正す姿勢を見せない限り、現状が変わることはないだろう。それどころかますます状況の悪化も容易に想像できる。

ライブドア騒動をきっかけに低迷を続ける新興市場が、単にライブドア絡みによるものだけなのか、それともそれがきっかけで「化けの皮がはがれた」からなのかは判断が難しいところ。前者であればそろそろ回復の芽も見えてくるだろうが、後者ならば低迷は自然淘汰がなされるまで、まだしばらく続くことだろう。

どちらが選ばれるかは、対象となる新興市場に居る各企業の姿勢次第である。

※指摘を考慮し、内容について一部を表示から外しました。詳細については該当誌をお買い求め下さい。

(最終更新:2013/08/21)

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