元教師らの退職金14億円を「運用」した投資ファンド、98.3%減の2300万円に減らす

2007年04月04日 12:30

【毎日インタラクティブ】が報じたところによると、九州と山口の元教職員ら約150人から退職金などを集めた約14億円で運用していた福岡市の投資事業組合(投資ファンド)が、出資金を約98.3%減の約2300万円にまで減らしていたことが明らかになった。6月にも組合員総会を開いて清算するとのこと。投資ファンドではソブリン債などへの投資を語っていながら、実際には日本国内の株式運用で大損をしていた。

スポンサードリンク

元記事には具体的な投資ファンド名がないので公開情報を調べることができないが、元記事によれば、「複数の関係者の話」として、この投資ファンドは1998年に設立。教職員名簿などを元に「安定した海外の政府保証債(ソブリン債…格付けの高い国で発行された国債)などに投資すれば年利7~10%で資産運用できる」「教職員互助会や郵便局は危ない」などと巧みに勧誘、1口50万円で応募を受け付け、最高一人で1億3000万円を出資した人もいるとのこと。

投資ファンド側では2006年6月頃までは年5%程度の配当を行っていたが7月に入り突然出資者に「営業停止」を連絡。その後のファンド側の説明会で、「実はソブリン債への投資実績はほとんどない。日本国内の株取引で運用していた。元本割れもはなはだしい結果となった」と報告していた。

ファンドの規約には「年1回の決算報告」が義務付けられているが、設立後財務内容に関する情報開示は「一度も」なかったとのこと。

仮にもっとも高額を預けた人が1998年のファンド設立直後に運用を依頼していたとすれば、2006年までの8年分で配当が1億3000万円×5%×8年分(単利計算)で5200万円、解散後の残金がすべて、均等に返ってきたとすれば約240万円で、計5440万円。差し引き7560万円の損となる。機会損失もあるし、解散後残金が戻ってくる可能性も低いことを考えると、損失はさらに増えるだろう。

「どこをどうやれば『投資の運用のプロ』を自称する投資ファンドが国内株式の運用でそこまで大損できるのか」という疑問もある。もちろん上場廃止となったライブドアや該当する期間(1998年から現在)に株価を10分の1以下に減らした新興市場銘柄も少なくはない。しかしいみじくも投資ファンドがそのようなリスクの高い銘柄「ばかり」に投資を続けていたとは考えにくい。

あるいは「必要経費や報酬コストばかり計上され、気がついたら運転資金そのものが激減していた」「横領」などの可能性もある。または信用取引などでレバレッジを大規模にかけて失敗したのだろうか。

なお前述したように取得できる情報が元記事からしかないので詳細は不明だが、規約上に明記されている「年一の決算報告義務」がなされていない以上、「投資は自己責任」として投資ファンド側に責が一切ない、ということは言い切れない(「ソブリン債"など"」で運用すればと言っていたが実際には国内株式がほとんどだったではないかという件については「一度でも」ソブリン債を扱っていれば問題はない(【参考:「株式投信なのに株式が組み込まれてない?」……投信の分類を明確化・協会が年内見直し】))。

とはいえ、規約上にある「年一の決算報告」がなされていないことに、誰一人として突っ込みを入れなかったのか、あるいは問い合わせをしてそれに答えない姿勢に「おかしいぞ」と思わなかったあたり、出資者側にも問題はありそうだ。

どのような取引をしたらそこまで損失が計上できるのか、いろいろな意味で興味深く続報に期待したい話である。真相が明らかになるにつれ、単に国内株式の運用で損をしただけなのか、他にもそこまで出資金を減らす理由があったのか、公になることだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ